レチノールはどのような成分?
レチノールはビタミンAの一種で、油溶性の成分です。
ビタミンAやビタミンA誘導体を含む総称として「レチノイド」といわれています。
化粧品で使われるのはレチノールですが、美容医療で使われるレチノールは濃度が高いトレチノインが使われることもあります。
トレチノインは医薬品成分ですが、高濃度であればあるほど効果が高い反面、肌刺激を感じやすくなります。
レチノールのA反応とは?
レチノールを肌に塗ると、赤み、湿疹、肌荒れ、皮剥けなどが起こることがあります。これがレチノールのA反応といわれるものです。
初めてレチノールを使う方、敏感肌の方、高濃度のレチノールを使う方はA反応が出やすくなります。
レチノールのA反応は1〜4週間ほどで肌が徐々に慣れてくるため、初期のA反応を我慢しながらうまく取り入れることで、肌荒れしにくくなります。
医療で使われているレチノールの効果
美容医療で医師の診断の元、処方されるレチノールにはさまざまな効果があります。
シワやたるみを改善する効果
レチノールは、真皮のコラーゲン、エラスチンを生成する働きがあり、シワやたるみを改善する効果があります。
年齢とともに真皮の弾力繊維であるコラーゲンやエラスチンが減少しますが、レチノールは肌の真皮まで届き、これらの成分を産生することでシワやたるみへアプローチします。
シミを改善する効果
シミは過剰生成されたメラニンが蓄積されたものですが、通常はターンオーバーとともにメラニンは排出されます。
レチノールはターンオーバーを促進し、メラニンを押し上げ排出を促すことからシミを改善する効果があります。
ニキビを改善する効果
レチノールは皮脂分泌を正常化させる効果があり、過剰な皮脂分泌を抑えることでニキビの改善につながります。
また、ターンオーバーが促進されることで老化角質が排出され、ニキビ跡を予防する効果もあります。
医療で使われているレチノール化粧品
医療美容で使われているレチノール化粧品を2シリーズご紹介します。
ゼオスキン
ゼオスキンは医療機関で取り扱いできるレチノール化粧品で、効果の高いトレチノインを配合しているため、A反応が出やすいです。皮剥けや赤みなどが強く出るため、使用するにはある程度の覚悟が必要でしょう。
こちらは医師の指導の元、使用するスキンケアです。
エンビロン
エンビロンは一部のマイルドなシリーズは一般販売されていますが、医療分野でないと取り扱いできないシリーズもあります。
エンビロンは徐々に肌を慣らして、レチノールの濃度を上げていく方法のスキンケアです。
化粧品で使われているレチノールの効果
化粧品で使われているレチノールには以下の効果があります。
- シワを改善する効果(医薬部外品)
- ハリを与える効果
- うるおいを与える効果
- 肌をなめらかにする効果
シワを改善する効果は、資生堂の「純粋レチノール」のみが承認されており、あとは一般化粧品での配合になります。
以前は化粧品に配合されるレチノールの濃度が0.075%までしか認められてなかったのですが、2001年の薬事法改正により現在は撤廃されています。
濃度の上限が撤廃されたということは、化粧品でもある程度の効果が期待できるということです。
参考資料:コスメ成分.co
レチノールの知っておきたい注意点
レチノールを使う上で知っておきたい注意点をまとめましたので、使用前にぜひチェックしてくださいね。
注意点①レチノールの使用は乳液のあとが基本
レチノールは油溶性成分という特性上「化粧水→乳液→レチノール」という順番で使うのが基本です。
通常美容液は、化粧水の後に使用することが多いですが、レチノールの場合は乳液が先になります。
商品によっては、使用方法が異なる場合があるので、パッケージやホームページに記載の方法でご使用ください。
注意点②レチノールは夜をメインに使う
レチノールは紫外線の影響を受けやすい成分のため、夜をメインに使用しましょう。
朝使う場合は、必ず日焼け止めを塗ってください。
注意点③慣れるまで数日おきに使用する
初めてレチノールを使う方は、少量を数日おきに使用して肌に慣らします。
使用例:3日に1回(1週間)→2日に1回(1週間)→毎日
肌の調子の悪い日はお休みしてもいいので、様子を見ながら増やしていきましょう。
注意点④肌荒れしたら皮膚科へは正解?
「レチノールで肌荒れをしたら皮膚科を受診しましょう」などと言われる方もいますが、果たして皮膚科は正解でしょうか?
一般皮膚科に行けば「レチノールの使用をやめる」ように言われるかもしれません。一方、美容皮膚科に行けば「レチノールの肌荒れは想定内、きれいになりたいのなら続ける」ように言われるでしょう。
要は、ご自身がどうしたいかが大切なのです。自分はどうしたいか決めていれば、受診するべきかどうかがわかるでしょう。
注意点⑤劣化しにくいパッケージであるか確認
レチノールは、空気、紫外線などで非常に劣化しやすい成分です。
空気が入る形状や透明のボトルは、劣化が早いので要注意です。例えば、製品を作ったときには0.3%あったレチノールが、開封して1週間経つと濃度がかなり低下する製品もあります。
エアレスボトルやエアレスチューブ、遮光タイプのボトルであることを確認しておきましょう。
まとめ
レチノールは、肌にハリやうるおいを与えるエイジングケアにおすすめの成分です。
未来の若見え肌を今から作りたい方は、ぜひレチノールを取り入れてみてください。
※美白とはメラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを予防すること
※エイジングケアとは年齢に応じたケアのこと
