乳酸

乳酸とは?

乳酸は、自然界に広く存在する有機酸の一種です。化粧品では「乳酸」や「Lactic Acid」と表示されることが多く、α-ヒドロキシ酸(AHA)の一つとして知られています。

乳酸は、動物の組織やヨーグルトなどの発酵食品に多く含まれています。化粧品以外にも、食品の酸味料や医薬品の添加剤としても利用されている汎用性の高い成分です。

化粧品における乳酸の効果

乳酸が化粧品に配合される主な目的は以下の2つです。

  1. 収れん作用
    乳酸の酸性により、皮脂腺や汗腺の開口部を収縮させる効果があります。これにより、過剰な皮脂や汗の分泌を抑制し、化粧崩れを防ぐことができます。また、肌をひきしめる効果も期待できます。
  2. pH調整・緩衝作用
    乳酸は酸性を示すため、製品のpHを調整する役割を果たします。肌は通常pH4.5-6.0の弱酸性を示すため、乳酸を配合することで肌に優しい製品を作ることができます。また、pH緩衝剤としても機能し、製品の品質安定性を保つ効果があります。

これらの効果により、乳酸はスキンケア製品、シャンプー、コンディショナー、メイクアップ製品など、様々な化粧品に配合されています。

乳酸の安全性

乳酸は長年の使用実績があり、一般的に安全性の高い成分として知られています。食品添加物や医薬品にも使用されており、その安全性は広く認められています。

化粧品における乳酸の安全性については、以下のような評価結果が報告されています:

  • 皮膚刺激性:通常の使用濃度では、ほとんどないか軽度
  • 眼刺激性:pHが4.84以上であれば最小限
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
  • 光感作性:ほとんどなし

ただし、敏感肌の方や過去に化粧品で刺激を感じた経験がある方は、濃度やpHに関わらず刺激(スティンギング)を感じる可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

乳酸は、肌をひきしめ、製品のpHを調整する効果があり、多くのスキンケア製品に配合されています。安全性も高く、長年の使用実績がありますが、敏感肌の方は使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。

乳酸を含む製品を上手に取り入れることで、より効果的なスキンケアが可能になります。自分の肌質に合った製品を選び、美しい肌を目指しましょう。