自分に合ったスキンケアを見つけるためには、自分の肌タイプを正確に理解することが重要です。普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌などの肌タイプによって最適なケアが異なります。
今回は、肌タイプの種類やセルフ診断の方法について詳しく解説するとともに、タイプ別の最適なスキンケア方法も紹介します。
肌タイプの種類
適切なスキンケアを行うためには、自分の肌タイプを理解することが重要です。代表的な肌タイプの特徴とよくあるトラブル、判別方法について詳しく見ていきましょう。
普通肌
普通肌は、皮脂と水分がバランスよく保たれた理想的な肌の状態です。皮脂の分泌量が適度で、肌が潤いを保ちながら、ベタつきや乾燥を感じにくいのが特徴です。
比較的トラブルが少ない肌質ですが、季節の変わり目や生活習慣の変化によって、乾燥したり、逆に皮脂が過剰に分泌されることもあります。
乾燥肌
乾燥肌は、肌の表面を覆う皮脂や角質層に含まれる保湿成分が少ないために水分を保持する力が弱く、バリア機能が低い状態です。肌がつっぱる感じや、カサつき、ひび割れが起こります。特に空気が乾燥する冬に肌トラブルが起こりやすく、化粧品がしみるほどにまで悪化する場合もあります。
洗顔後に肌がつっぱる、肌表面にざらつきや粉ふきが見られるといった場合は、乾燥肌の可能性が高いでしょう。
脂性肌
脂性肌は、皮脂の分泌が多い状態です。皮脂は光を反射するため、明るい環境では肌が常にテカります。特に皮脂の分泌が多いTゾーン(額や鼻)に顕著に見られます。
脂性肌の人は、毛穴が目立ちやすく、ニキビや黒ずみが発生しやすいことに注意が必要です。洗顔後に短時間で肌がべたつく、昼ごろから顔全体がテカリ出すなどする場合は脂性肌の可能性が高いでしょう。
混合肌
混合肌は、顔の部分によって乾燥肌と脂性肌が混在している状態です。たとえば、Tゾーンは脂性肌で油っぽく、頬や目元は乾燥肌でカサついています。混合肌の人は、それぞれの肌に適したスキンケアが必要です。
洗顔後にTゾーンがテカる一方で、頬や口元がつっぱるなど、部位によって脂性肌と乾燥肌が混在している場合は混合肌と言えるでしょう。
敏感肌
敏感肌は、外部刺激に対して反応しやすく、赤みやかゆみ、ひりつきが起こりやすい状態です。乾燥や紫外線、温度変化、特定の化粧品や洗剤など、さまざまなものに対して敏感に反応します。
また、化粧品に微量に含まれる合成香料やアルコールなどにも敏感に反応することも少なくありません。
化粧品を使用したときにピリピリとした刺激を感じる、肌に赤みが生じやすいといった場合は、敏感肌の可能性が高いでしょう。
肌タイプの診断方法
肌タイプを自己診断する場合は、チェックのタイミングや方法に注意が必要です。肌タイプの診断方法について詳しく見ていきましょう。
起床後すぐの肌を確認する
起床後すぐに、顔を洗う前の肌の状態を確認しましょう。特にTゾーン(額や鼻)や頬の触り心地や見た目を観察します。起床後の肌は皮脂の状態がわかりやすく、脂性肌や乾燥肌を簡単に判別できます。
たとえば、朝起きて額がべたついているが頬がつっぱっている場合、混合肌の可能性が高いでしょう。ただし、夜のスキンケアや寝室の環境(湿度や寝具の素材)の影響を受けることがあるため、肌状態が毎朝異なる場合は他の診断方法と併用することが大切です。
洗顔後の肌を確認する
洗顔後、何もつけずに15~30分ほど放置し、その後の肌の状態を確認する方法もあります。洗顔では余分な皮脂が洗い流されるため、一時的に乾燥しやすくなります。しかし、健康な肌はすぐに皮脂が分泌され、うるおいが保持されます。
たとえば、洗顔後に肌がつっぱる感じが強い場合、乾燥肌の可能性が高いでしょう。一方、洗顔後すぐにTゾーンがテカリ始めた場合は脂性肌の可能性が高いと考えられます。ただし、洗顔料の成分や肌への刺激によって一時的に乾燥やつっぱりが生じることがあるため、肌に合った洗顔料を使用し、正しく洗顔することが大切です。
メイクの崩れやすいさから確認する
メイクをした部位の中でも崩れやすい部位を観察することで、肌タイプを診断できます。肌が乾燥しているとメイクのノリが悪くなり、時間経過によって簡単に落ちてしまいます。一方、皮脂分泌が多い場合はメイクの成分と混ざり合うことで、汗によって落ちやすくなります。
たとえば、昼頃にTゾーンがテカリ、メイクが崩れる場合は脂性肌の可能性が高いでしょう。逆に、頬や口元のメイクがカサカサして割れる場合は乾燥肌が疑われます。
ただし、メイクの品質や使用するスキンケア製品によってもメイクの持ち具合が変わります。
美容クリニックで医師に相談する
美容クリニックや皮膚科で医師に肌の状態を診てもらうことも方法の1つです。
医療機器を使用して詳しい診断を行うこともあります。専門家の診断は自己診断よりも正確性が高いため、肌トラブルの原因がわからない場合やスキンケアの変更を検討している場合に相談するとよいでしょう。
ただし、費用や時間がかかるため、なるべく早く肌タイプを知りたい場合は他の方法を選択する方が現実的かもしれません。
肌診断アプリを使う
スマートフォンで簡単に肌の状態を診断できるアプリを使用する方法もあります。アプリを使って写真を撮影し、肌の状態を解析することで、肌タイプを確認できます。
時間や場所を問わずに自分の肌状態をチェックできるため、そのときに合ったスキンケアを選ぶことも可能です。ただし、アプリによる診断は機械的な判断に基づくため、微妙な肌の変化までは捉えきれません。美容クリニックで肌タイプの診断を受けたうえで、アプリでセルフ診断するとよいでしょう。
また、アプリの精度はアプリによって異なるため、信頼性の高いアプリを選ぶことが大切です。
肌タイプ別のスキンケア
肌タイプに応じて、適切なスキンケアが異なります。肌タイプ別に、スキンケアの方法について詳しく見ていきましょう。
普通肌:バランスの取れたケア
普通肌は、皮脂と水分のバランスが良く、大きなトラブルがおきにくい肌タイプです。肌を健やかに保つためにバランスの取れたスキンケアが適しています。朝晩2回の洗顔を基本とし、適度な保湿と日焼け止めを使用することが推奨されます。
たとえば、軽いテクスチャーの保湿クリームや、紫外線対策としてSPF30程度の日焼け止めを使用するとよいでしょう。
季節の変わり目などで肌の状態が変わりやすいため、常に普通肌とは限らないことに注意が必要です。肌の状態に応じてスキンケア製品を選びましょう。
乾燥肌:保湿重視のケア
乾燥肌は、水分保持力が低く、肌がカサつきやすい状態です。そのため、保湿を最優先にしたスキンケアが適しています。洗顔後すぐに保湿効果の高い化粧水をたっぷりと肌に馴染ませ、その後にセラミドやヒアルロン酸を含む保湿クリームでしっかりと蓋をします。
また、冬の乾燥している日には、保湿力が高いクリームやオイルを追加することで、さらに保湿効果を高めることができます。ただし、過度に油分の多い製品を多用すると毛穴が詰まりやすくなるため、適度に使用しましょう。
脂性肌:皮脂コントロール
脂性肌は、皮脂の分泌が多く、肌がテカリやすい状態です。皮脂コントロールを意識したスキンケアが求められます。朝の洗顔後にオイルフリーの化粧水を使用しましょう。
また、毛穴の詰まりやすさを考慮し、週に1~2回程度の酵素洗顔やクレイパックを取り入れることで、皮脂をコントロールできます。ただし、過度な洗顔や皮脂を協力に除去する製品の使用は、逆に皮脂分泌を促進する可能性があるため注意が必要です。
混合肌:ゾーン別ケア
混合肌は、ゾーンごとに異なるアプローチが必要です。Tゾーンには軽いテクスチャーの化粧水や皮脂コントロール効果のある美容液を使用し、頬や口元には保湿力が高いクリームを使うとよいでしょう。
たとえば、朝の洗顔後に化粧水をつけ、その後Tゾーンにだけジェルタイプの美容液を使用し、頬には別の保湿クリームを塗るなどのケアが考えられます。
混合肌と一言でいっても、脂性肌と乾燥肌が締める割合や部位、症状の強さなどは人それぞれです。また、湿度や気温、ストレス、睡眠の質、食事などによって肌質が変化するため、そのときどきの状態を見極めてスキンケアを行いましょう。
敏感肌:低刺激製品の使用
敏感肌は、外部刺激に非常に反応しやすく、赤みやかゆみが生じやすい状態です。そのため、スキンケア製品を選ぶ際は美容効果や保湿効果よりも先に、低刺激かどうかを確認しましょう。
アルコールフリー、無香料、敏感肌用に開発されたスキンケア製品を選ぶことが大切です。また、新しいスキンケア製品を試す際には、腕の内側でパッチテストを行い、肌に合うかを確認しましょう。また、肌トラブルが起きているところに化粧水や乳液、クリームなどを使用すると症状が悪化する可能性があるため、治まるまでは避けることが大切です。
肌タイプ診断はアプリで簡単にできる
肌タイプを知るための方法には、起床後の肌状態を観察することや洗顔後の変化を確認することなど、さまざまな方法がありますが、忙しい日々の中でこれらをすべて試すのは難しいかもしれません。
そこで、近年人気を集めているのが、スマートフォンを使った肌診断アプリです。アプリを使えば、自宅にいながら簡単に自分の肌タイプを診断できます。写真を撮影するだけで肌の状態を解析し、最適なスキンケアを提案してくれるので、スキンケア初心者にもぴったりです。