脂性肌の方はニキビ・毛穴の開き・テカリなど、さまざまな悩みを抱えているのではないでしょうか。皮脂分泌を抑えるなら、正しいスキンケア方法や肌質に合った化粧品の選び方を知ることが大切です。
本記事では、脂性肌の特徴や原因、効果的なスキンケア方法などを紹介します。これまでのスキンケアや生活習慣を見直し、美肌を目指しましょう。
脂性肌とは?改善にはスキンケアが大切
脂性肌とは、顔全体の皮脂量が多い肌質を指します。皮脂の過剰分泌によって、顔のテカりやべたつきが目立つ傾向があります。さまざまな肌トラブルも起こりやすく、「ニキビができやすい」「毛穴が詰まる」などの症状に悩む方も多いでしょう。また、額や鼻といった皮脂が分泌されやすい部位では化粧崩れが起きやすく、肌のキメも粗くなりがちです。
脂性肌は「生まれつきのもの」と思っている方が多いですが、スキンケア方法や生活習慣、季節の変化にも影響を受けます。脂性肌を改善するには、適切なスキンケアで肌のバリア機能を高めることが重要です。諦めずに正しいケアを継続し、健やかで美しい肌を目指しましょう。
脂性肌になる3つの原因
脂性肌を改善する効果的な対策を行うには、まず脂性肌の原因を理解することが重要です。
ここでは、脂性肌を引き起こす3つの主な原因を詳しく解説します。自分の肌質に合う適切なスキンケア方法を見つける手がかりにしてください。
皮脂を落としすぎてしまう
脂っぽい肌が気になるからといって、皮脂を過剰に取り除くのはNGです。皮脂は肌の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激や細菌の侵入から肌を守る重要な役割を果たしています。必要以上に皮脂を取り除くと、肌は乾燥から身を守るために逆に皮脂の分泌を増やしてしまいます。
脂性肌の悪循環に陥るのを防ぐには、洗浄力の強すぎる製品や、肌をゴシゴシと強くこする洗顔方法は避けましょう。肌への刺激が少ないアイテムを使用し、やさしく洗うことが大切です。適度な皮脂を残すことで肌本来の防御機能を保ち、健康的な肌状態を維持できます。
肌のうるおいが足りない
肌のうるおいが不足していると、水分を補おうとして皮脂の分泌量が増加します。そのため、べたつきを感じて保湿を怠ったり、念入りに洗顔したりすると、さらに肌の乾燥を招きかねません。
脂性肌を改善するには、角質層に十分な水分を与えることが大切です。適切な保湿ケアにより、肌のバリア機能向上が期待できます。スキンケアする際は化粧水だけでなく、乳液やクリームも使用して水分が蒸発するのを防ぎましょう。
ホルモンバランスが乱れる
ストレスにより交感神経が活性化し、皮脂分泌に関与する男性ホルモンの分泌が増加すると、脂性肌の原因となります。また、女性の場合は月経周期に伴うホルモンの変動により、特定の時期に皮脂分泌量が増加することがあります。
ホルモンバランスの乱れによる脂性肌は、単にスキンケアアイテムを変えるだけでは改善が難しいでしょう。適度な運動や十分な睡眠、バランスの取れた食事など、健康的な生活を心がけることが大切です。生活習慣を見直すことでホルモンバランスが整えば、脂性肌の改善につながる可能性があります。
脂性肌を美肌に導くスキンケア方
脂性肌特有の悩みを改善して美肌へ導くには、正しいスキンケアの手順と方法を知るのが不可欠です。
ここでは、クレンジング・洗顔・保湿・紫外線対策まで、脂性肌に効果的なスキンケア方法を解説します。紹介する方法を日々の習慣に取り入れ、健やかで美しい肌を手に入れましょう。
クレンジング:手早く行う
クレンジングは手早く丁寧に行うことが重要です。脂性肌の方は不要な皮脂や汚れをしっかり落とす必要がありますが、長時間クレンジングを行うと必要な皮脂まで落ちてしまいます。
クレンジングは指の腹を使って優しく丁寧に肌になじませ、40秒~1分を目安に行いましょう。過度な摩擦は肌への刺激となるため避けてください。
洗顔:泡立ててやさしく洗う
洗顔する際は、洗顔料をしっかり泡立ててやさしく洗いましょう。十分に泡立てることで肌への摩擦を軽減でき、皮脂汚れも落ちやすくなります。泡立てネットや洗顔泡立て器を使うと、きめ細やかな泡を簡単に作れるのでおすすめです。
洗顔時は、水の温度にも注意が必要です。熱すぎるお湯は皮脂を過度に取り除く原因となるため、36~38℃程度のぬるま湯を使用しましょう。洗い終わったら、タオルで強くこすらず、やさしく押さえるように水分を拭き取ってください。
保湿:水分をしっかり補う
洗顔後は速やかに化粧水を使用し、失われた水分をしっかり補いましょう。保湿しないと肌は過剰に皮脂を分泌して補おうとするため、かえって脂っぽくなる可能性があります。
保湿を行う際はまず化粧水で水分を与え、その後乳液やクリームで水分や美容成分の蒸発を防ぎましょう。ただし、過剰な油分はべたつきやテカリの原因となるため、油分の多いアイテムの使用は控えたほうが無難です。
紫外線対策:季節や天気に関係なくケアする
紫外線は肌の水分量を減少させるため、季節や天気に関係なく紫外線対策をするのが大切です。紫外線は皮脂を酸化させ、肌のくすみや毛穴の詰まりを引き起こす原因にもなります。
紫外線対策では日焼け止めの使用はもちろん、サングラス・日傘・帽子なども効果的です。日焼け止めは汗や皮脂で落ちやすいため、2~3時間ごとの塗り直しを心がけましょう。
継続的な紫外線対策は脂性肌の改善だけでなく、肌トラブルの予防にもつながります。日々の習慣としてケアを取り入れるのがおすすめです。
スキンケア以外に脂性肌改善で大切な生活習慣の見直し
脂性肌の改善にはスキンケアだけでなく、日々の生活習慣の見直しも重要です。食事や睡眠、喫煙や飲酒といった日常的な習慣は、肌の状態に大きな影響を与えています。
ここでは、脂性肌に悩む方が見直すべき生活習慣について詳しく解説します。普段の生活を振り返り、肌に優しい習慣を取り入れてみましょう。
糖質や脂質を摂りすぎない
脂性肌の改善には、糖質や脂質の摂りすぎに注意を払うことが重要です。脂っこい食事や甘いものを頻繁に摂取すると、皮脂の分泌量が増加して脂性肌の原因となる可能性があります。
例えば、白米やパンなどの糖質を多く含む食品は血糖値を上昇させるため、皮脂腺を刺激して皮脂分泌が促進されるでしょう。また、バターや動物性脂肪などの飽和脂肪酸を多く含む食品も、皮脂の過剰分泌を引き起こすといわれています。
さらに、糖質や脂質は中性脂肪を高めるおそれも。中性脂肪はニキビの原因となるため、肌トラブルを悪化させる可能性があります。
脂性肌の改善を目指すには、バランスの取れた食生活を心がけ、糖質や脂質の過剰摂取を避けることが大切です。
ビタミンを摂りバランスの良い食事を心がける
ビタミンを意識的に摂取することで、脂性肌の改善が期待できるケースがあります。摂取すると良いビタミンは、以下の通りです。
ビタミン | 効果 | よく含まれる食品 |
ビタミンB1 | 糖質の分解を助け、肌荒れを防ぐ | 豚肉・玄米・大豆・紅鮭 |
ビタミンB2 | 皮脂の分泌を抑制し、脂質の代謝を促す | レバー・卵・牛乳・納豆・ぶり |
ビタミンB6 | 皮膚の新陳代謝を促し、健やかな肌をつくる | 豚ヒレ肉・さんま・バナナ・さつまいも |
ビタミンA | 過剰な皮脂の分泌を抑え、代謝を促進する | にんじん・ほうれん草・うなぎ・レバー |
ビタミンC | 酸化を防止し、コラーゲン生成を促進する | 柑橘類・キウイ・いちご・ブロッコリー |
栄養バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンを含む食品を積極的に取り入れましょう。日々の食事だけで必要な栄養素を十分に摂取できない場合は、サプリメントで補うのもおすすめです。
良質な睡眠をとる
ストレスや疲労がたまると、ホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌が多くなることがあるため、良質な睡眠をとることが大切です。
睡眠の質を上げるには、入浴時の温度をいつもより少し低めに設定するのがおすすめです。ぬるいお風呂にゆっくりと浸かることで、リラックス効果が期待できます。また、就寝前にストレッチをすると、心身がほぐれて寝つきが良くなるでしょう。
反対に、睡眠の質を下げてしまうのが、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用です。ブルーライトは交感神経を刺激し、睡眠を妨げる可能性があります。良質な睡眠がとれるよう、就寝前の行動に気を配りましょう。
タバコ・飲酒を控える
脂性肌の改善を妨げる要因となるのが、タバコと過度の飲酒です。
喫煙すると体内のビタミンCが多く失われるため、皮脂の過剰分泌につながります。ビタミンCの減少は、肌のハリ低下や色素沈着によるシミ形成のリスクを高めるおそれも。さらに、タバコの煙が肌に付着すると、肌を守るために皮脂の分泌量が増加する傾向があります。
また、過度の飲酒も注意が必要です。梅酒やビールなどの糖質が多いお酒は、皮脂の分泌を促します。
脂性肌の改善を目指すなら、タバコと飲酒を控えるのが望ましいでしょう。
脂性肌の改善に役立つスキンケア商品の選び方
脂性肌の改善に効果的なスキンケア商品を選ぶには、いくつかポイントがあります。自分にあった商品を見つけるために、ぜひ参考にしてください。
皮脂分泌を抑える成分が配合されているか
脂性肌向けのスキンケア商品を選ぶ際は、皮脂分泌を抑制する成分が含まれているかどうかを確認しましょう。
皮脂の過剰分泌を抑える作用がある成分は、以下の通りです。商品を購入する前に成分表を確認し、該当する成分が含まれているかチェックしましょう。
・ライスパワーNo.6
・ナイアシンアミド
・β-グリチルレチン酸
・ビタミンB6
・アゼライン酸
・塩酸ピリドキシン
保湿力が高くベタつきがないか
化粧水や乳液は、保湿力が高くベタつきの少ないものを選びましょう。付け心地が軽く、適度にうるおい感が残るアイテムがおすすめです。
なお、成分にグリセリンが高配合されていると、脂性肌の方はベタつきを感じやすい傾向があります。グリセリンはアクネ菌の栄養源にもなりやすいため、ニキビに悩む方は避けたほうが良いかもしれません。
肌悩みに合う成分が入っているか
美白やニキビなど、自分の肌悩みに合った成分が含まれているかどうかも確認しておきましょう。
紫外線を浴びる機会が多い方は、薬用美白化粧水が適しているでしょう。美白成分が含まれる薬用化粧水には、メラニンの生成を抑制し、日焼けによるシミやそばかすを防ぐ効果が期待できます。また、ニキビに悩む方は、ニキビ予防成分を含む薬用化粧水がおすすめです。
効果 | 有効成分 |
美白 | ・トラネキサム酸 ・アルブチン ・プラセンタエキス ・コウジ酸 |
ニキビ予防 | ・グリチルリチン酸ジカリウム ・アラントイン ・グリチルレチン酸ステアリル |
肌への刺激が強すぎないか
化粧品によって肌荒れしやすい方は、肌への刺激が強い成分が入っていないか確認することが重要です。
脂性肌向けの商品の中には、さっぱりした付け心地のためにエタノールやメントールを多く含むものがあります。また、ベタつきを抑えるために使用されるプロピレングリコール(PG)も、敏感な肌には刺激となる可能性があります。
化粧品の成分表は配合量が多い順に成分を記載しているため、商品を選ぶ際にチェックすると良いでしょう。
まとめ:正しいスキンケアで脂性肌を改善し、美肌を目指そう
脂性肌の改善には、正しいスキンケアと生活習慣の見直しが重要です。クレンジングや洗顔を丁寧に行い、適度な保湿を心がけましょう。バランスの取れた食事や十分な睡眠も、脂性肌改善に効果的です。皮脂の過剰分泌を抑えて肌のバランスを整えれば、テカリやニキビなどの悩みを軽減できるでしょう。
本記事で紹介した内容を参考に、自分の肌に合ったケアを見つけ、継続的に実践してみてください。正しいケアを続けることで、健やかで美しい肌を目指せるでしょう。