「乾燥肌ではないのにおでこだけカサカサする」「保湿をしてもおでこが粉を吹いてしまう」というお悩みはありませんか?
本来、おでこは皮脂腺が多く皮脂が過剰になりやすいです。一方で、さまざまな要因が影響しておでこだけ乾燥する場合があります。
この記事を読むことで、おでこが乾燥する原因と改善方法が分かります。皮膚の構造や機能を元に解説しているので、ぜひご覧ください。
皮膚が乾燥するのはなぜか?
皮膚は水分や脂質が不足することで乾燥します。皮膚は細菌の侵入や水分の保持などバリア機能を果たす重要な組織です。皮膚は大きく4層に分けられ、一番外側には「角質層」があります。一般的に角質層の水分量は10〜20%であり、10%を下回るとひび割れや肌荒れが生じやすく、化粧のりの良さなども角質層の水分量が影響します。
また、皮膚にはターンオーバーという新陳代謝過程が存在し、約4週間程度で表皮が新しいものに入れ替わります。その時に古くなった角質層は剥がれ落ちていきます。しかし、加齢によりターンオーバーが遅くなると角質層が長くとどまり、新しい表皮が出てきません。結果的に、表皮のバリア機能が低下して乾燥だけでなく細菌やウイルスが侵入しやすくなります。
おでこは皮脂腺が多くベタつきやすい部位
本来、おでこは皮脂腺が多いためベタつきやすいです。どれくらい多いのか以下の表で皮脂腺の分布を紹介します。
部位 | 密度 |
頭部 | 800個/cm² |
額部 | 400個/cm² |
四肢 | 100個/cm² |
皮脂腺は毛穴に開口しており、皮膚のうるおいや弾力性を付与し皮膚を保護するために重要です。そのため、皮脂量の分泌が減少するとひび割れ、カサつきの原因になります。一方で、過剰になるとベタつきやニキビの原因になってしまいます。
では、なぜ皮脂腺の多いおでこが乾燥してしまうのか3つの原因が考えられます。
おでこが乾燥する3つの原因
おでこが乾燥する原因は主に3つあります。
- 外部刺激によるバリア機能の乱れ
- 加齢による皮脂や水分量の少なさ
- ストレスや生活習慣の乱れ
一つずつ具体的に解説していきます。
外部刺激によるバリア機能の乱れ
おでこは刺激を受けやすい部位であり、バリア機能の乱れが乾燥の原因になります。乾燥しているおでこは刺激に敏感な状態であり、通常よりかゆみを引き起こしやすいです。そのため、ひっかいてしまい炎症を引き起こします。
例えば、前髪やおでこを頻繁に触るとバリア機能が乱れやすいため乾燥が悪化しやすいです。また、紫外線による皮膚のバリア機能低下やターンオーバーの遅延は肌を乾燥させます。
上記のような刺激やバリア機能の乱れは、角質層が剥がれやすくなるため乾燥したおでこを作ってしまいます。
加齢による皮脂や水分量の少なさ
加齢により皮脂量や水分量が低下すると乾燥しやすいです。皮脂の分泌や水分量はホルモンの減少やターンオーバーの遅れが影響しますが、それらの機能は年齢とともに衰えます。
若い時は皮脂やニキビなど皮脂が過剰で悩むことが多いですが、加齢とともにシワなど皮脂の欠乏による悩みが多いです。シワは水分量や皮脂量の低下による皮膚の弾力性低下が要因で起こります。そのため、加齢による影響も考えられます。
ストレスや生活習慣の乱れ
ストレスや生活習慣の乱れによるホルモンバランスの崩れは乾燥の原因です。身体的・精神的なストレスはコルチゾールなどストレスホルモンを分泌し、角質層のバリア機能を低下させます。また、皮脂腺の機能は性ホルモンの影響を受けるため、生理前のホルモンバランスの乱れも要因のひとつです。
生活習慣の乱れは自律神経に影響し、血行不良で皮膚のターンオーバーが遅延します。血液は酸素や栄養を運び、老廃物を除去する重要な働きがあるため、血行不良になると肌トラブルを生じやすいです。[5]
上記のように、さまざまな要因によるホルモンバランスの乱れは皮膚のターンオーバーを遅延させ、乾燥肌を引き起こします。
乾燥によるおでこの肌トラブル
乾燥によるおでこの肌トラブルは以下のようなものがあります。
- カサカサで粉を吹く
- 炎症による赤みや湿疹が現れる
- おでこにシワができる
それぞれ詳細に解説していきます。
カサカサで粉を吹く
肌が乾燥するとカサカサになり粉を吹きます。乾燥すると角層細胞が剥がれやすくなり、特に高齢者ではターンオーバーが遅延するため角層が溜まり粉を吹きやすいです。冬になると粉を吹きやすいのも、暖房などで湿度が低くなりやすいからです。
肌の水分量と皮脂の低下も肌トラブルを引き起こします。皮膚は水分や皮脂を保持することでバリア機能を保っています。この機能が低下すると刺激に弱くなり乾燥しやすくなるため、カサカサな皮膚になりやすいです。
炎症による赤みや湿疹が現れる
乾燥が進むと炎症による赤みや湿疹が現れます。これは皮膚のバリア機能が低下し、刺激に敏感になるためです。皮膚を掻くと赤くなるのは誰しも体験したことがあると思います。皮膚のバリア機能が低下していると、強く搔かなくても少しの刺激で赤みや湿疹が現れやすいです。
さらに乾燥肌が悪化すると、乾燥性皮膚炎を発症するので注意しましょう。乾燥性皮膚炎は一般的な乾燥とはやや異なり、強いかゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が出現します。これらの症状があると皮膚のターンオーバーが早くなり、肌が乾燥しやすい状態が続きます。そのため、こまめな保湿が必要です。
このように乾燥肌は刺激に弱くなっている状態であり、赤みや湿疹が現れるなどトラブルが発生します。
おでこにシワができる
乾燥するとおでこのシワ増加につながります。乾燥している状態は、水分量や皮脂量が不十分であり肌の弾力性や柔軟性が低下しているためです。加齢によりシワができやすくなるのも、水分量や皮脂量が低下するからです。
また、紫外線によってもシワはできやすくなります。紫外線は皮膚のシミやシワを増やすなどさまざまな影響を与えます。特に皮下脂肪細胞の減少などを引き起こすため皮膚の弾性が低下しやすいです。その結果、シワができる要因になります。
おでこの乾燥を改善する方法
おでこの乾燥を改善する方法を3つ紹介します。
- 優しく丁寧に洗顔する
- 保湿クリームを塗る
- 室内を加湿する
それぞれ詳しく解説していきます。
優しく丁寧に洗顔する
乾燥している肌に対しては、優しく丁寧に洗顔するのが大切です。肌が敏感になっている状態であるため、ゴシゴシと強く洗うと皮膚の状態を悪化させてしまいます。強く洗えばきれいになるわけでもありません。
また、優しく洗いつつ成分をよく浸透させるにはしっかり泡を立てるのが重要です。きめ細かい泡を作ることで優しくてもきれいに洗顔できます。洗顔料も肌に優しい成分が含まれたものを選びましょう。これらのように刺激の少ない洗顔方法を実施するのが大切です。
保湿クリームを塗る
乾燥防止のために保湿クリームを塗るのが大切です。塗るタイミングは洗顔や入浴後、冬など乾燥しやすい時が良いでしょう。クリームは皮膚のバリア機能にプラスの働きをします。
また、化粧水や美容液で水分を補充したり、ワセリンで油分を加えるのも大切です。肌に良い成分が含まれた保湿クリームを、適切なタイミングで塗りましょう。
室内を加湿する
湿度が低く室内が乾燥しているときは加湿します。乾燥は肌の水分量や皮脂の低下を引き起こすためカサカサ肌になりやすいです。特に冬は暖房やストーブを使用するため湿度が40%以下になり乾燥しやすいです。加湿器や洗濯物の部屋干しなどで湿度を上げる工夫をしましょう。このような肌に優しい環境づくりが大切です。
乾燥には化粧水・乳液・クリームを順番に重ねる
乾燥対策として、化粧水、乳液、クリームを順番に重ねるのが効果的です。化粧水や乳液により皮膚に水分を与え、最後にクリームを塗るとバリア機能により乾燥がゆっくりになります。結果的に、乾燥を防ぐことにつながります。
ただ、化粧品により成分は異なるため、乾燥に対して効果的な成分が含まれた商品を選びましょう。例えば、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどは保湿効果が期待できます。
乾燥による化粧崩れで悩む人におすすめなメイク方法
おでこの乾燥に悩む方では、化粧崩れがしやすいという声があります。そもそも化粧くずれは、皮脂腺から分泌される皮脂が化粧を濡らしていくため起こる現象です。そこでおすすめのメイク方法をご紹介します。
おすすめのメイク方法
1.最初に化粧水、乳液、クリームなどで保湿
2.次に日焼け止め・化粧下地を塗る
3.ファンデーションでカバーする
4.フェイスパウダーで仕上げ
5.長時間のメイクは避け、メイクはクレンジングでしっかり落とし優しく洗顔
6.化粧水、乳液で保湿する
(乾燥肌の人ではリキッドファンデーションが化粧崩れしにくい)
上記のような手順で実施し、バリア機能の強化と乾燥による化粧崩れを防止しましょう。
個人差もあるので自分に合った方法を模索してみるのも有効です。
おでこの乾燥を改善してうるおい肌を目指しましょう
皮膚の乾燥は冬や入浴後など誰にでも起こり得ます。一方で、体質や加齢、紫外線などさまざまな要因が関わり、おでこだけ乾燥する場合もあります。
おでこの乾燥を防ぐためには「皮膚のバリア機能向上」「水分量や皮脂の保持」「入念な手入れ」が大切です。誰しも加齢により皮膚の機能は落ちていきますが、保湿効果がある化粧品の活用により皮膚状態を改善できるでしょう。また、化粧水、乳液、クリームの順に塗ると乾燥をゆっくりにできます。はじめられることから、自分にあった手入れを取り入れてみましょう。