スマホやパソコンから発せられる「ブルーライト」。
目には悪いといわれていますが、肌への影響が気になる方も多いのではないでしょうか。また、紫外線との違いや対策方法なども気になりますよね。
そこで本記事では、ブルーライトと紫外線の違い、そして肌にどのような影響を与えるのかを詳しく解説していきます。
ブルーライトと紫外線の違いは?

ブルーライトと紫外線の大きな違いは「波長の長さ」です。どちらも太陽光に含まれる光ですが、波長の違いによって肌への影響が異なります。
太陽の光は「nm(ナノメートル)」という単位で波長を測り、400nm以下が紫外線、380〜780nmが人の目に見える可視光線、780nm以上は赤外線に分類されます。波長は短いほどエネルギーが強く、長いほど肌の深層まで届くのが特徴です。
ブルーライトは波長380〜500nmに位置し、可視光線のなかで最も強いエネルギーを持ちます。
ブルーライトとは?

ブルーライトとは、可視光線に含まれる「波長が短くエネルギーが高い光」のことです。可視光線のスペクトル図では、短波長(380〜500nm)が青色で表されるため、ブルーライトと呼ばれています。
ここからは、その特徴について詳しく解説していきます。
紫外線に近い可視光線

ブルーライトは380〜500nmの波長を持ち、可視光線のなかでも紫外線に近い位置にある光です。 紫外線(400nm以下)は目には見えませんが、可視光線(380〜780nm)に含まれるブルーライトは肉眼で確認できます。
紫外線は肌の奥深くにダメージを与え、シワやたるみを引き起こす「光老化」の大きな原因です。 一方、ブルーライトは紫外線に比べると、より肌の深層まで届くという研究報告もされています。1
そのため、近年は皮膚や眼に及ぼすリスクが取り上げられるようになりました。
スマホやパソコンから発せられる

スマホやパソコンの画面など、電子機器から出る光というイメージを持つ方も多いと思います。日常的にスマホやパソコンを使う時間が長いと、肌への影響が気になりますよね。
しかし、電子機器から発せられるブルーライトの量はそれほど多くはなく、肌に関しては過度に心配する必要はないと考えられています。2一方で、太陽光に含まれるブルーライトは、電子機器の数百倍にも及ぶといわれています。
そのため、肌へのダメージは非常に高く、紫外線と同じように十分な対策が必要です。
目の疲れや睡眠障害につながる

長時間ブルーライトを浴びると、目の疲れや睡眠の質に影響を及ぼすと考えられています。
ブルーライトは目の奥まで届くため、スマホやパソコンの画面を見続けると、網膜にダメージを与える可能性も少なくありません。さらに、太陽光に多く含まれることから、体内では「日中に浴びる光」として認識されています。そのため、夜間に浴びすぎると体内リズムが乱れ、寝付きが悪くなったり眠りの質が低下したりする恐れがあります。こうした理由から「寝る直前のスマホ使用は控えたほうがよい」といわれているのです。
紫外線とは?

紫外線は太陽光に含まれる、可視光線より短い波長の光です。強いエネルギーを持ち、波長によってUV-A・UV-B・UV-Cに分類されます。
一般的な日焼けから「光老化」まで、肌にさまざまなダメージを与えるのが特徴です。
皮膚の奥まで届くUV-A
UV-Aは波長が長く、肌の奥深くにある真皮層まで到達する紫外線です。
肌の弾力を支えるコラーゲンを破壊し、シワやたるみといった「光老化」を引き起こします。室内にいれば影響はないと思われがちですが、UV-Aは窓ガラスを通過するため、気付かないうちにダメージを受けているケースも少なくありません。
また、UV-Aを多く浴びた肌は時間をかけて黒くなります。これはメラノサイトが刺激され、紫外線から肌を守ろうとする防御反応です。とくに紫外線の強い季節は、屋内にいても十分な対策が必要といえます。
日焼けやシミの原因となるUV-B
日焼けしたあとのヒリヒリとした赤みや炎症はUV-Bによるものです。
UV-BはUV-Aよりも波長が短く、肌表面にある表皮にダメージを与えます。肌の深部までは到達しませんが、火傷のような炎症や水ぶくれを引き起こします。シミやそばかす、皮膚がんの原因にもなるため、屋外の紫外線対策は欠かせません。
地表には届かないUV-C
紫外線はUV-AとUV-Bのほかに、地表には届かないUV-Cがあります。
波長は100〜280nmと非常に短く、生体に強いダメージを与える紫外線です。通常はオゾン層に吸収されるので地上には届きませんが、人工的な光源で浴びると短時間で皮膚障害を起こすほど強力だといわれています。3
ブルーライトが肌に与える影響

ブルーライトは紫外線のように肌にダメージを与えるといわれています。
どんな影響があるのか詳しく解説します。
シワ・ハリ不足の原因に

ブルーライトは紫外線ではなく可視光線の一部ですが、UV-Aと同じように肌の真皮層まで届きます。
真皮にはコラーゲンやエラスチンをつくる線維芽細胞が存在し、ブルーライトを浴びすぎるとその働きにダメージを与えるといわれています。その結果、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が十分に生成できなくなり、肌のハリ不足やシワ、たるみの原因につながってしまうのです。
シミや色素沈着を発生させる

紫外線(UV-B)は肌表面にダメージを与え、シミや色素沈着を引き起こす原因です。ブルーライトも同じように表皮に影響を及ぼし、シミや日焼けに似た色素沈着を起こす可能性があると考えられています。4近年では「スマホ焼け」という言葉も耳にしますが、実際は電子機器からのブルーライトよりも、太陽光に含まれるブルーライトの方がはるかに多量です。
ブルーライトの対策方法
ブルーライトは太陽光や電子機器など、日常生活の中で自然と浴びてしまう光です。
ここからは、すぐに実践できる対策方法をご紹介します。
スマホやパソコンの明るさを下げる

見やすさを重視して画面を明るくしている方も多いのではないでしょうか。しかし、明るすぎる画面はブルーライトの量も増えてしまいます。
とくにスマホは顔との距離が近いので、目や肌への負担が大きくなりがちです。
抗酸化作用のある食材を取り入れる

ブルーライトから肌を守るためには、バランスのよい食事も欠かせません。なかでも抗酸化作用の高いビタミンC・ビタミンEは、皮膚や粘膜を守り、くすみの軽減に役立つといわれています。
ビタミンは体内でほとんどつくれないため、日々の食事から積極的に取り入れましょう。食事で摂取するのが難しい方は、サプリで補うのも一つの方法です。

ブルーライト対応の日焼け止めを使う

肌への影響が気になる方は、ブルーライトカット成分が配合された日焼け止めがおすすめです。
最近は、紫外線と同時にカットできる商品も多数販売されています。 ベースメイクとして取り入れれば、手軽にブルーライト対策できるでしょう。
ブルーライト対策におすすめの日焼け止め3選
ここからはブルーライト対策におすすめの日焼け止めを3選ご紹介します。
d’Alba | ウォータフル エッセンス サンクリーム

日焼け止め特有のキシみが少なく、みずみずしい使い心地を求める方はd’Alba「ウォータフル エッセンス サンクリーム」がおすすめです。
ブルーライト遮断テスト済みで、SPF50+・PA++++と高いUVカット効果も備えています。
さらに、紫外線吸収剤を使っていないため、敏感肌の方にも取り入れやすいアイテムです。
水分のたっぷりのクリームが、乾燥を防いでなめらかな肌に整えます。
商品名 | ウォータフル エッセンスサンクリーム |
価格/容量 | 2,860円(税込)/50ml |
ORBIS | リンクルブライトUVプロテクター(医薬部外品)

シワやシミなどエイジングサインが気になる方は、ORBIS「リンクルブライトUVプロテクター」がおすすめです。
ブルーライトカット成分※1に加えて、シワ改善や美白効果※2が期待できる有効成分ナイアシンアミドを配合しています。
さらに、オルビス史上最高のUVカット力を備えながら、キシキシ感やベタつきを最小限に抑えました。
植物由来の保湿成分※3も含まれており、ふっくらとした柔らかい肌に導きます。
商品名 | オルビス リンクルブライトUVプロテクター |
価格/容量 | 1,320円(税込) /15g 3,850円(税込)/50g 6,980円(税込) /100g |
有効成分 | ナイアシンアミド |
- 酸化チタン(ブルーライト領域である380~500nmをカット)
- メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぐ
- 複合保湿成分マルチプルフィトラスター:ルイボスエキス(アスパラサスリネアリスエキス)・チョウジエキス・セイヨウノコギリソウエキス、複合保湿成分ベースエンハンサーWP:桑エキス・アシタバエキス
IHADA | 薬用フェイスプロテクトUV ミルク

肌荒れや刺激を感じやすい方には、イハダの「薬用フェイスプロテクトUV ミルク」がおすすめです。
紫外線やブルーライトをカットするだけでなく、花粉やほこり、PM2.5といった微粒子からも肌を守ります。
さらに、高精製ワセリン※や肌荒れとシミ・そばかすを防ぐ有効成分トラネキサム酸を配合しているため、保湿しながら肌荒れケアができるのもポイントです。
どんな肌色にもなじみやすいクリアベージュカラーで、ファンデーションや化粧下地としても活躍します。
商品名 | 薬用フェイスプロテクトUV ミルク |
価格/容量 | 1,980円(税込)/30ml |
有効成分 | トラネキサム酸 |
- 肌うるおいバリア保護成分
ブルーライト対策で肌を健やかに保ちましょう

今回は、ブルーライトと紫外線の肌への影響を中心に取り上げました。
紫外線は肌にダメージを与えるものとして広く知られていますが、ブルーライトについてはまだ不明な点も残されています。それでも紫外線に近いエネルギーを持つため、肌や体への影響を考えると日常的なケアを意識しておくとよいでしょう。
ブルーライト対策ができる日焼け止めなら、毎日のケアに手軽に取り入れることができます。普段あまり意識していなかった方も、この機会に試してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 隠れた危険性の解明「ブルーライトが皮膚の健康と老化に与える影響」マヴリチャノフ.R. & ロジツキ, P. (2023). ↩︎
- 「ソーシャルメディアにおけるブルーライトと肌:曝露とフォトプロテクション戦略に関する投稿の分析」セレスニー, M.パテル.J. V.トヴェトン、 E. J. 他. (2023). ↩︎
- 「紫外線C放射線への異常な高曝露 」Trevisan A.Pıovesan S、Leonardi A、Bertocco.M、Nicolosi P、Pelizzo.M,& Angelini A. (2006) ↩︎
- 「紫外線と可視光線による皮膚の色素沈着にはメカニズムに違いがあるか?」RamasubramaniamR.Roy、 A. Sharma B., & Nagalakshmi, S. (2011). ↩︎
- ナチュラルグラッセ:【ブルーライトは肌に悪い?】ブルーライトが肌に与える影響と3つの対策方法
- とううちクリニック:屋内光・ブルーライトが肌に与える影響とは?
- ARTISTIC&Co:ブルーライトとお肌の関係
- ビューティーフェイス:紫外線「UV-A」「UV-B」「UV-C」のそれぞれの特徴と違い
- LION スマイル:本当に目に悪い?ブルーライトの影響を知っておこう
- ジョンソンエンドジョンソン:ブルーライトとは?ブルーライトの影響や軽減させる方法を解説