自律神経の乱れとは?肌荒れとの関係についても解説

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季節の変わり目やストレスを感じたときに、体調だけでなく、肌の調子も悪いと感じたことはありませんか?
それは「自律神経の乱れ」によるものかもしれません。
自律神経の乱れというと、動悸やめまいなど体の不調を思い浮かべがちですが、実は肌へもさまざまな影響を与えることがあります。

この記事では自律神経の乱れが体と肌にどのような影響を与えるのか、そして肌トラブルが起きた場合の対処法について詳しく説明します。

この記事でわかること

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自律神経とは

私たちの体には、自らの意思で動かせる神経と、動かせない神経があります。
たとえば手足の筋肉は「運動神経」により、自分の意思で動かすことができます。
しかし心臓の動きや血管の収縮、体温調節などは自分の意思で調節することはできませんよね。
このように自分の意思ではコントロールできず、生命維持に必要な機能(心拍や血圧、呼吸、体温、消化など)を調整している神経を自律神経といいます。

自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、私たちの体の状態に応じてそれぞれ相反する役割を担っています。
この2つの神経は、常にバランスをとり合いながら働いていますが、その調和が崩れると体にさまざまな不調が現れるようになります。
これを「自律神経の乱れ」といいます。

交感神経

交感神経は主に体が活動しているときに活発になる神経です。
心と体が緊張しているときに働き、心拍を早くする、血管を収縮させ血圧を上げる、体温を上昇させるなど、体を興奮モードへと導きます。

副交感神経

副交感神経は主に体がリラックスしているときに働く神経です。
副交感神経が優位にあるときは心拍、血圧ともに落ち着き、胃腸の働きが活発になるなど、体が回復、休息モードに入ります。

自律神経が乱れる原因

自律神経のバランスはとても繊細で、簡単に崩れてしまいがちです。
この章では自律神経の乱れを引き起こす主な原因についてご紹介します。
原因を知っておくことで、日頃から意識して対策できるといいですね。

ストレス

人間関係や仕事、環境の変化などにより精神的なストレスを受けると、自律神経が乱れやすくなります。
ストレスが続くと、交感神経の働きが強まり、心身の緊張が抜けない状態となります。
その結果、頭痛や動悸、倦怠感、不安感などさまざまな不調があらわれることがあります。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や不規則な食生活、運動不足、過労などは体内リズムを崩しやすく、それに伴って自律神経のバランスも崩れやすくなります。
また偏った食事は栄養不足や急な血糖値の上昇を招き、自律神経が乱れる原因となります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスと自律神経は密接に関係しており、互いに影響しあいます。
とくに女性は月経周期などでホルモンの変動が激しく、それにより自律神経も乱れがちです。
日によって気分が不安定になることもあるでしょう。

寒暖差

体温調節も自律神経の役割であるため、急激な温度変化は自律神経に負担をかけます。
そのため季節の変わり目や、冷房の当たりすぎなども自律神経に影響が出やすいです。

とくに冷えは全身の血行を悪くし、さまざまな体の不調を引き起こす原因となります。

自律神経が乱れるとどうなる?

自律神経の乱れによる不調は、特定の臓器に限らず、全身に現れるのが特徴です。
自律神経のバランスが崩れると交感神経の働きが強まり、血管が収縮して血流が悪くなります。
血流の低下により、めまいや立ちくらみ、動悸といった症状が起きやすくなります。
また血行不良は「冷え」を引き起こし、肩こりや胃腸障害なども生じやすくなるでしょう。

以下は自律神経が乱れたときの主な症状です。

身体的な症状

全身の倦怠感、めまい、頭痛、動悸、息切れ、立ちくらみ、胃腸障害など

精神的な症状

イライラ、不安感、集中力低下、気分の浮き沈みなど

全身の症状がひどい場合は「自律神経失調症」の可能性もあるため、なるべく早く病院に相談しましょう。

  • 自律神経失調症:自律神経系の機能が乱れることにより、さまざまな身体的・精神的な症状が現れる状態。器質的な検査(MRIなど)で異常がないにもかかわらず、不調が続くのが特徴。

自律神経の乱れによる肌への影響

自律神経が乱れると、体調だけでなく肌にもさまざまなトラブルがあらわれることがあります。
ここでは、肌に対する主な影響と、そのメカニズムについて詳しく説明します。

ターンオーバーの低下

肌の細胞は、一定のサイクルで古いものから新しいものへと生まれ変わり、このサイクルを「ターンオーバー」といいます。
自律神経のバランスが崩れると血流が悪くなり、肌に必要な栄養や酸素が十分に届かなくなります1
その結果、肌のターンオーバーが乱れ、くすみが目立つようになったり、肌トラブルが起きやすい状態となります。

乾燥・肌荒れ

ターンオーバーが正常に働かなくなると、未熟な細胞が肌表面に出てきたり、古い角質が剥がれ落ちずに残ったりすることで、肌の「バリア機能」が低下します。
バリア機能とは、肌を外部の刺激から守り、うるおいを保つものです。

バリア機能が低下することで、肌は乾燥しやすくなり、わずかな刺激にも敏感に反応してしまいます。
また、かゆみや赤みなどの肌荒れが起きやすくなります。

ニキビ

自律神経の乱れとホルモンバランスはお互いに影響し合います。
ホルモンバランスが崩れると、テストステロンというホルモンが増加し、皮脂の過剰分泌を引き起こします。
これにより毛穴が詰まりやすくなり、ニキビや肌の炎症が起きやすくなります。

  • テストステロン:男性ホルモン。女性の体内でも作られ、女性ホルモンの生成や卵胞の発育などに関わる。

アレルギー性皮膚炎の悪化

ストレスなどで自律神経が乱れた状態が続くと、免疫機能にも影響が出る場合があります。
免疫機能の崩れは、アレルギー症状を引き起こしたり、アトピー性皮膚炎などの症状を悪化させたりする場合があります。
症状の長期化を招く可能性もあるため、程度がひどい場合は早めに医療機関に相談しましょう。

自律神経の乱れを改善する方法

自律神経が乱れた場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。
この章では日常生活で取り入れやすい対策方法についてご紹介します。
ひとつでも意識することで症状の軽減につながるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。

ストレスを溜め込まない

仕事や人間関係などにより日常生活でストレスを感じてしまうことは多いでしょう。
まずはストレスの原因を見つけ、それに対する解消法を見つけるのが大切です。

たとえば軽い運動をする、人と喋る、読書や映画鑑賞、アロマでリラックスするなどさまざまな方法があります。
自分に合ったリフレッシュ方法を見つけ、うまくストレスと付き合っていきましょう。

食生活を整える

自律神経を整え、肌の健康を保つためには、食生活の見直しがとても大切です。
糖質や脂質の多い食事は控え、バランスの良い食事を心がけましょう。
ビタミンが豊富である野菜やフルーツを積極的に食事に取り入れるのもおすすめです。
また、食事の際は野菜から食べはじめることで、食後の急激な血糖値の上昇を抑えられます。
カフェインやアルコールの過剰摂取は交感神経を刺激し、自律神経のバランスを崩す原因となるため、なるべく控えるようにしましょう。

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睡眠をしっかりとる

睡眠は心身の疲れを回復させ、自律神経を整えるうえで重要な時間です。
入眠直後の深い眠り(ノンレム睡眠)に分泌される成長ホルモンは、体の疲労回復や細胞の修復、肌のターンオーバーにも大きく関わっています。
毎日同じ時間に起きて体内時計を整えること、6〜8時間は睡眠時間をとることが自律神経を整えるうえで大切であるといえるでしょう。2

体を温める

冷えは自律神経のバランスを崩し、全身の血行を悪くします。
体をしっかりと温めリラックスすることで、交感神経の過剰な働きを抑え、自律神経のバランスを整えることができます。

体を温めるには、温かい飲み物を飲む、湯船に浸かる、膝掛けやネックウォーマーを活用するなどが効果的です。
なかでもルイボスティーはカフェインを含まず、血流を良くする効果が期待されるため、体が冷えているときにおすすめです。3
また抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含み、美容にも良い飲み物とされています。

  • 抗酸化作用:老化や病気の原因となる活性酸素を除去する作用

肌荒れに対する対処法

どんなに気をつけていても、何らかの原因で肌荒れしてしまうことはあるでしょう。
この章では、肌荒れが起こってしまった場合の適切な対処法について説明します。

保湿ケアに力をいれる

肌荒れは肌のバリア機能が低下することで起こりやすくなります。
バリア機能をサポートするには保湿ケアをしっかりとおこない、肌にうるおいを与えることが大切です。
とくに洗顔後や入浴後は肌が乾燥しやすくなるため、化粧水、乳液、クリームなどを順に重ねて使い、できるだけ早く保湿するようにしましょう。

またスキンケア商品を選ぶ際は、保湿効果のあるヒアルロン酸アミノ酸(セリン、グリシン、アラニンなど)セラミドグリセリンなどが入っているものを選ぶと効果的です。4

肌に刺激を与えない

肌荒れを起こしているときは、バリア機能が低下しているため、肌が敏感な状態になっています。
少しの刺激でも炎症や肌荒れを引き起こす可能性があるため、できる限り刺激を避けたスキンケアが大切です。

洗顔料を選ぶ際はアルコール(エタノール)、パラベン、合成香料、着色料が入っているものは避け、低刺激性の製品を選びましょう。
またスクラブ入りの洗顔料やピーリング剤は肌への負担が大きいため、使用を控えるのが望ましいです。

洗顔の際は肌を強くこすらず、しっかり泡立てた泡で優しく洗いましょう。
また熱いお湯やシャワーを直接顔に当てると必要な皮脂まで落ちてしまうことがあるため、できるだけ控えるのがおすすめです。
顔を拭くときはタオルでやさしく押さえるようにして水分を取ると、肌への負担を抑えられます。

紫外線対策をしっかりと

紫外線は肌にダメージを与え、肌荒れを悪化させる原因のひとつです。
紫外線は冬のあいだも降り注いでいるため、季節を問わず対策が必要といえます。
とくに紫外線の強い春や夏は、SPFの値の高い日焼け止めを使用し、数時間おきにに塗り直すなどこまめなケアを心がけましょう。

UVカット機能のある日傘や帽子を使用するのも効果的です。
紫外線のカット率は、一般的に黒色の方が白色よりも高いとされています。
色選びに迷ったときは黒に近い色を選ぶと良いでしょう。

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自律神経を整えて肌荒れを予防しよう

自律神経はストレスや環境の変化、季節の変わり目などさまざまな要因でバランスを崩しやすいものです。
自律神経の乱れによる症状は人によって違い、その程度も異なります。
「なんとなく最近体調が悪い」「肌荒れが続いている」という場合は自律神経が乱れているサインかもしれません。
そのようなときは前述した日常生活でもできるセルフケアを取り入れてみてください。
自律神経を整え、肌荒れのない健やかな肌を目指しましょう。

参考文献

  1. 羽白 誠. 精神的ストレスと皮膚. 日本香粧品学会誌 Vol. 46, No. 1, pp. 46–50 (2022 ↩︎
  2. 厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド 2023. p11 ↩︎
  3. Ingrid A-L Persson, Karin Persson, Staffan Hägg and Rolf GG Andersson. Effects of green tea, black tea and Rooibos tea on angiotensin-converting enzyme and nitric oxide in healthy volunteers.Published online by Cambridge University Press: 10 February 2010 ↩︎
  4. 高橋康之. 保湿化粧品とその作用. 日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 4, pp. 280–287 (2018) ↩︎
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