「なんだか最近、肌がカサつく」「化粧ノリが悪くて、気分が上がらない」そんな肌の乾燥に悩んでいませんか?仕事やプライベートで忙しい日々の中、手軽にできるケアを探している方も多いでしょう。
そんなときに「水をたくさん飲めば肌が潤う」という話を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、本当に水分摂取が肌の乾燥に直結するのでしょうか?
この記事では、あなたの疑問に科学的な視点からお答えします。ただ水分を飲むだけでは不十分な理由や、体の内側と外側からアプローチするケアの方法、うるおい感のある肌を目指すためのヒントをお伝えします。
乾燥肌とは?

乾燥肌とは、肌の水分や油分が不足している状態を指します。カサつきや粉吹き、つっぱり感といった肌状態のことです。ここでは、肌が乾燥する根本的な理由や、起こりうるさまざまな肌状態について解説します。
乾燥肌のサイン

鏡を見て「粉が吹いている」「口元に小じわが目立つ」「化粧ノリが悪い」と感じることはありませんか?これらはすべて、肌が乾燥しているサインです。肌の水分が不足すると、このような肌状態が起こりやすくなります。
また、乾燥がひどくなると、肌にかゆみを感じたり、赤みが出たりする場合もあります。自分の肌がどんなサインを出しているか知ることが、正しいケアへの第一歩です。
肌の水分量とバリア機能

肌のうるおいは、一番外側にある角質層(かくしつそう)という部分が守っています。角質層にはうるおいを閉じ込めて、外部の刺激から肌を守る「バリア機能」があります。このバリア機能が十分に働くには、肌の水分量が重要です。
角層の水分量はおおよそ20〜30%が目安とされます。肌の水分量が十分であればバリア機能が働きやすく、外部からの刺激や乾燥を防いでくれます。反対に、不足するとバリア機能がゆらぎやすく、乾燥につながる一因となることがあります。
乾燥肌とインナードライの違い

肌の乾燥には「乾燥肌」と「インナードライ」の2種類があります。以下に解説します。
- 乾燥肌
-
- 肌の表面も内部も水分が不足している
- 見た目がカサカサしている
- つっぱり感や粉吹きを伴うことがある
- インナードライ
-
- 肌の内側が乾燥しているのに、皮脂はたくさん出ていてベタつきを感じる
- テカリや脂っぽさが気になる
- オイリー肌と間違いやすい
乾燥が招く肌トラブル

乾燥を放置すると以下の肌状態を引き起こす可能性があります。
- 肌荒れ
- ニキビ
- くすみ
乾燥した肌は外部の刺激に弱く、少しの摩擦でも赤みやかぶれを起こしやすくなります。また、肌の生まれ変わるサイクルがうまくいかなくなり、古い角質がたまってニキビの原因や肌のごわつき、くすみにつながることもあります。
飲水量が肌の乾燥に与えるメカニズム

水分を飲むことが肌に良いと言われますが、その影響は一時的なものではなく、体の内部からじっくりと作用します。ここでは、飲んだ水分がどのように肌に影響を与え、乾燥を内側からケアするのか、そのメカニズムをわかりやすく解説します。
水分が肌に届く仕組み

飲んだ水分はまず、血液や内臓へと優先的に運ばれ、肌に届くのは最後の段階です。例えるなら、大きな建物の上階にある部屋に水を運ぶようなものです。下の階から順番に水が満たされるので、一番上の部屋に届くには時間がかかります。
だからこそ、一時的に大量の水分を飲むよりも、毎日こまめに飲むことが大切です。
飲水による肌のメリット

水分摂取によって体内の水分量が適切に保たれると、血液やリンパ液といった体液のバランス維持に役立ちます。これにより、肌の細胞に必要な酸素や栄養素が運ばれやすくなり、うるおいやすい肌の土台が作られます。
この変化はゆっくり時間をかけて現れるため、肌の変化をすぐには感じられないかもしれません。しかし、体液のめぐりが良い状態が続くことで、肌が生まれ変わるサイクルが健やかに整い、うるおいを保ちやすい肌を目指せるでしょう。
飲水だけでは不十分な理由

内側からのケアだけでは不十分な場合もあります。なぜなら、空調や紫外線などの外的要因、または間違ったスキンケアでうるおいが奪われてしまうと、肌は乾燥してしまうからです。
根本的にケアするには、内側からの水分補給に加えて、肌のバリア機能を守るスキンケアも大切な要素となります。
乾燥肌のための水分補給のポイント

乾燥肌をケアするために、水分はどれくらいの量を、どんなタイミングで飲むと良いか解説します。
飲水量の目安

「水は1日2L」と耳にすることがありますが、必要な水分量には個人差があります。体重や活動量、汗の量によっても、適切な量は異なります。あくまで目安ですが、【体重(kg)×30ml〜40ml】で計算した量を参考にするとよいでしょう。
たとえば、体重50kgの場合、1日に1.5L〜2Lが目安です。ただし、夏場の汗をかく時期や運動後は、これよりも多めに摂るよう心がけましょう。
飲み方とタイミング

一度に大量に飲むより、こまめな補給の方が体内で扱いやすいと考えられています。コップ1杯ずつをこまめに飲むのが大切です。目安として、起床時、入浴前後、就寝前に飲むといいでしょう。
水分と摂りたい栄養素

水分補給とあわせて、肌に良いとされる栄養素を食事から摂ると、より良い乾燥対策が期待できます。以下の成分を参考にしてみましょう。
| 成分名 | 役割 | 含まれる食べもの |
|---|---|---|
| ビタミンA | 角層のうるおい環境を支える | ・緑黄色野菜 ・レバー ・卵黄 |
| ビタミンC | 肌づくりをサポートする | ・イチゴ ・キウイ ・柑橘類 |
| ビタミンE | 乾燥期の食事バランスを整える | ・サバ ・アボカド ・ナッツ類 |
| タンパク質 | 肌の土台づくりに直結する栄養素 | ・肉類 ・魚介類 ・乳製品 ・卵 |
栄養バランスが悪いと肌の不調の原因になりかねません。水分摂取と合わせて、日頃の食生活を見直すのに役立てましょう。
乾燥肌と水分補給の注意点

水分補給は、やり方を間違えると逆効果の可能性もあります。ここでは、注意すべきポイントと、期待した変化が感じられない場合の注意点をお伝えします。
過剰摂取のリスク
水分を摂りすぎると、体に負担をかけ、むくみにつながる可能性があります。適切な量を守って飲むようにしましょう。持病などがある方は、自己判断で量を変えず医師に相談してください。
期待した変化がない場合
水分を飲んでも肌の乾燥がケアできないときは、他にも原因があるかもしれません。空調や紫外線、睡眠不足やストレスなどのさまざまな外的・内的要因が肌の乾燥に影響する場合があります。水分補給だけでなく、生活習慣全体を見直すことも大切です。
飲水ケアをサポート!外側からの乾燥肌対策

体の内側からのケアに加えて、外側からの対策も組み合わせることで、乾燥対策として取り入れやすくなります。ここでは、無意識にやっているかもしれないNG行動から、忙しい毎日でも続けやすい時短スキンケア、外側からのアプローチ方法をお伝えします。
乾燥を強めるNG行動

無意識にやっている行動が、肌の乾燥を強めているかもしれません。高めの温度の洗顔やゴシゴシと力を入れて洗う際の摩擦は、うるおいを逃しやすい場合があります。

忙しくてもできる時短スキンケア
「仕事で疲れて、スキンケアが面倒……」という方でも、手軽にできるケアがあります。ミスト化粧水や、化粧水から美容液や乳液の役割を1本で果たすオールインワンジェルなどを活用し、手軽なケアが可能です。乾燥が気になる箇所には保湿成分が含まれるクリームを追加しても良いでしょう。
自分の肌に合ったアイテム選び

肌の乾燥対策には、保湿成分が重要です。以下を参考にしてみましょう。
- セラミド
-
- 肌の水分蒸発を防ぐ
- 外部刺激から肌を守る
- ヒアルロン酸
-
- 肌にうるおいを与える
- みずみずしさやハリを保つ
- アミノ酸(NMF由来成分)
-
- 肌の水分を抱え込む
- 肌をみずみずしく保つ
これらが配合されたアイテムは、ドラッグストアでも手軽に手に入るものが多いので参考にしてみてください。
まとめ
肌の乾燥対策は、内側と外側の両方からのアプローチが大切です。内側では、適切な水分補給が体液のバランス維持に役立ち、肌へ水分や栄養が行き渡るための土台を整えます。これにより、肌の生まれ変わりのリズムを乱しにくい状態づくりにもつながります。
外側からは、日々のスキンケアを見直し、保湿を中心に続けやすい方法を選びましょう。
両方のケアを意識することで、日常に取り入れやすい乾燥対策になります。あなたに合った方法で肌の乾燥と向き合い、うるおい感のある状態を目指しましょう。

