βグルカンとはどんな成分?ハリのある若々しい肌へ

  • URLをコピーしました!

βグルカンとは、大麦などの穀物やキノコ類に含まれる食物繊維の一種で、健康や美容面で注目されている成分です。肌においては保湿作用や抗酸化作用などが期待されており、ハリやうるおいのある肌を目指す方にとって取り入れたい成分のひとつといえます。

本記事ではそんなβグルカンの特徴や働きについて詳しく解説します。ハリのある若々しい肌を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

本コンテンツは美肌ナビが制作していますが、ECサイトやメーカー等から送客手数料を受領しており、プロモーションを含みます。

βグルカンとは

βグルカンとはどのような成分なのでしょうか。βグルカンの構造や性質、現在注目されている理由について解説します。

βグルカンの構造と性質

βグルカンとは食物繊維のひとつで、植物や真菌類の細胞壁を構成する成分です。グルコース(ブドウ糖)同士がβ結合という繋がり方でたくさん連なった構造をしています。1このβ結合はヒトの消化酵素で切れないため、胃で分解されることなく腸まで届き、健康に対するさまざまな働きをするとされています。

またβグルカンは水溶性の食物繊維であり、水分を含むことでゲル化します。このゲル化や増粘といった特性は、スキンケア商品や食品などの製品を作るうえでも活用されています。[1]

健康と美容面で注目されている成分

βグルカンはコレステロールの吸収抑制や食後の血糖値の上昇を抑える働き、免疫機能を調節する働きなどが確認されています。23

また水溶性の食物繊維であるβグルカンは、胃や腸で水分を含みゲル化することで、食後の満腹感の持続や食欲の抑制も期待されています。[3]

さらに、βグルカンを肌に局所的に使用した場合、保湿作用やバリア機能の修復、抗酸化作用、抗炎症作用などが報告されており、スキンケアへの応用も期待されています。[1]4

βグルカンが多く含まれる食べ物

βグルカンが多く含まれる食べ物として、以下のものが挙げられます。健康に気を使いたい方は、これらの食べ物を取り入れた生活を意識してみるといいですね。[3]

  • 大麦オーツ麦ライ麦などの穀物
  • シイタケブナシメジエノキタケなどのきのこ類
  • 酵母
  • 海藻

大麦オーツ麦は、他の穀物に比べてβグルカンが多く含まれています。大麦は精麦しても食物繊維量が減少しにくいため、より多くのβグルカンを摂取できるでしょう。そのままで食べるよりも、白米と混ぜて炊いたり、シリアルとして加工されたものを食べたりする方が日常生活に取り入れやすいですね。

βグルカンの肌に対する働き

βグルカンは肌に使用することで、保湿作用や抗酸化作用、抗炎症作用などが期待されています。この章ではそれぞれの肌に対する働きについて、詳しく解説します。

保湿作用

βグルカンは高い保湿力をもち、肌の表面に薄い膜を作ることで水分の蒸発を防ぎます。[4]肌が乾燥すると、乾燥小じわやたるみができやすくなり、年齢を感じさせる原因となります。

βグルカンは乾燥しがちな肌にうるおいを与え、しっとりとしたハリのある肌に導いてくれるでしょう。

またβグルカンは肌のバリア機能を修復する働きも確認されています。[4]バリア機能は肌の角層にあり、水分の蒸発や病原菌の侵入を防ぐなど、肌の健康を守るうえでかかせない機能です。しかし乾燥などの外的ストレスによりバリア機能が弱まると、肌は敏感になり赤みや炎症などの肌トラブルが起きやすくなります。

βグルカンは優れた保湿力をもつことでバリア機能を強化するため、敏感肌の人にも期待できる成分といえるでしょう。

抗酸化作用

βグルカンは老化や病気の原因のひとつである活性酸素」の発生を抑え、酸化ストレスによる肌のダメージを減らす働きが期待されています。[4]活性酸素は体内に侵入した病原菌を攻撃するなど、本来は体を守る役割をしています。しかし過剰に作られると健康な細胞まで傷つけてしまい、しわや老化の原因となることがあります。もともと体内には活性酸素を分解する酵素が備わっていますが、加齢とともに少なくなるため、年齢に応じて抗酸化作用のある成分を補うことが大切です。

βグルカンの抗酸化作用は、肌への局所的な作用だけでなく、体内に取り入れた際の全身への働きも確認されており、美容や医療分野での応用が期待されています。[4]

あわせて読みたい
酵素洗顔おすすめ10選!5つの効果や使い方についても解説 「毛穴の黒ずみや肌のザラつき、どうにかしたい…」と毎日の生活で感じることはありませんか?そんなお悩みにピッタリなのが酵素洗顔です。酵素洗顔は、毛穴汚れや古い角...

抗炎症作用

βグルカンは炎症を引き起こす「サイトカイン」と呼ばれる物質の働きを抑えることにより、炎症を和らげる作用が期待されています。[4]海外の研究では、アトピー性皮膚炎の患者に対して0.25%のβグルカンクリームを体の左側に1日2〜3回塗布した結果、かゆみや湿疹などの症状が減少したとの報告があります。5これはβグルカンのもつ抗炎症作用や、免疫機能を整える働きによるものと考えられていますが、詳しい機序についてはまだ解明されていない部分が多いです。[4]

現時点では、アトピー性皮膚炎におけるβグルカンの応用は臨床研究の段階ですが、肌荒れしやすい方やアトピー体質の方にとって、今後注目の成分といえるかもしれません。

エイジングケア

βグルカンは肌の奥にある真皮まで浸透し、しわの改善に役立つ可能性があるといわれています。[4]海外の研究では、0.5%のβグルカンを含む溶液を8週間にわたって肌に塗布したところ、しわの高さと深さ、および肌の粗さが大きく改善したという結果が報告されています。6

またβグルカンはコラーゲンを合成する線維芽細胞の働きを高めるため、肌の弾力やハリをサポートしてくれます。[4]

目元、口元のしわは年齢とともに増えていき、老化を感じさせる原因のひとつです。エイジングケアをしたい方にとって、βグルカンは心強い成分といえるでしょう。

  • エイジングケア:年齢に応じたケアのこと

βグルカンの取り入れ方

βグルカンの魅力について知ると、さっそく生活に取り入れてみたいと思う方は多いのではないのでしょうか。この章では、日常の中でβグルカンを取り入れる方法についてご紹介します。

食品やサプリメント

βグルカンは免疫機能を整えたり、コレステロールや血糖値の上昇を抑えたりする働きがあるため、健康を意識した食生活におすすめです。

上記でもご紹介した大麦オーツ麦きのこ類に豊富に含まれているため、これらの食べ物から手軽に摂取できます。

朝食にオートミールや大麦入りのシリアルを取り入れると、無理なく続けやすそうですね。効率よく摂りたい場合は、サプリメントを取り入れるのもひとつの方法です。健康補助食品としてインターネットでも購入が可能であり、手軽に継続しやすいのが魅力ですね。

  • オートミール:オーツ麦を食べやすく加工したシリアル食品

スキンケア商品

肌への効果を実感したい方は、βグルカンを配合したスキンケア商品の使用がおすすめです。

製品数はまだそれほど多くありませんが、βグルカンを含む美容液やクリームなどが販売されており、インターネットなどでの購入も可能です。肌へ直接塗ることで、しっとり感などを実感しやすいでしょう。エイジングケアのひとつとして、毎日のお手入れに取り入れてみてはいかがでしょうか。

βグルカンの安全性

βグルカンはアメリカ食品医薬品局(FDA)において、安全な食品添加物および栄養補助食品として承認されており、医薬品分野での適用が許可されています。[4]スキンケアへの応用に関しても、複数の研究で明らかな副作用や有害事象がないことが確認されています。[4]7これらのことから、比較的安全性の高い成分といえるでしょう。

ただしβグルカンは食物繊維の一種であり消化ができないため、過剰に摂りすぎるとお腹を壊す可能性があります。一部の人では、βグルカンを続けて飲むことで腹部不快感や下痢を経験したとの報告もあります。8

サプリメントとして摂る際は用量を守り、食事から摂取する場合は特定の食品に偏らないようバランスに注意しましょう。

βグルカンでハリのある若々しい肌を目指そう

βグルカンはコレステロールや血糖値、免疫機能に対する作用など、健康面での働きがある一方、肌に対してもさまざまな働き作用が期待されています。

とくに保湿作用や抗酸化作用は、ハリのある若々しい肌を保ちたい方にとって積極的に取り入れたいポイントですよね。年齢とともに増えるしわが気になる方や、エイジングケアに力を入れたい方にとって、βグルカンはおすすめの成分といえるでしょう。

高い保湿力をもっているため、乾燥の気になる季節のスキンケアにもぴったりです。βグルカンを毎日のケアに取り入れて、ハリのある若々しい肌を目指してみてはいかがでしょうか。

参考文献

  1. by Apurva Singla, Om Prakash Gupta, Vijeta Sagwal, Abhishek Kumar , Neha Patwa, Narender Mohan, Ankush, Dinesh Kumar .Beta-Glucan as a Soluble Dietary Fiber Source: Origins, Biosynthesis, Extraction, Purification, Structural Characteristics, Bioavailability, Biofunctional Attributes, Industrial Utilization, and Global Trade.Nutrients 2024, 16(6), 900. ↩︎
  2. 青江誠一郎.大麦β-グルカンの機能性について.日本食生活学会誌.2015.第26巻1号.3-6. ↩︎
  3. 安達禎之. β-グルカンの物性解析におけるβ-グルカン結合性タンパク質の応用.応用糖質科学 第3 巻 第4 号(2013)p253 ↩︎
  4. Xiaoyue Feng, Jianli Shang, Yuhui Wang, Yong Chen, Youting Liu.Exploring the Properties and Application Potential of β-Glucan in Skin Care.Food Science & Nutrition Volume 13, Issue 4 Apr 2025 ↩︎
  5. Milos Jesenak.Slavomir UrbancekDepartment of Dermatology, Slovak Medical University, Banska Bystrica, Slovakia, , Juraj Majtan, Peter Banovcin & Jana Hercogova.β-Glucan-based cream (containing pleuran isolated from pleurotus ostreatus) in supportive treatment of mild-to-moderate atopic dermatitis(Abstract).Pages 351-354 | Received 20 Aug 2015, Accepted 24 Oct 2015, Published online: 10 Dec 2015 ↩︎
  6. R. Pillai, M. Redmond, J. Röding. Anti-Wrinkle Therapy: Significant New Findings in the Non-Invasive Cosmetic Treatment of Skin Wrinkles with Beta-Glucan(Abstract).Cosmetic Scientists.Volume27, Issue5 October 2005 Page 292 ↩︎
  7. Yajing Cao MD, Peiru Wang MD, Guolong Zhang MD, Chan Hu MD, Haiyan Zhang MD, Xiuli Wang MD, PhD.Administration of skin care regimens containing β-glucan for skin recovery after fractional laser therapy: A split-face, double-blinded, vehicle-controlled study(Abstract).Volume20, Issue6 2021 Pages 1756-1762 ↩︎
  8. Arrigo F.G. Cicero.Federica Fogacci , Maddalena Veronesi , Enrico Strocchi, Elisa Grandi, Elisabetta Rizzoli, Andrea Poli  Franca Marangoni ,Claudio Borghi . A Randomized Placebo-Controlled Clinical Trial to Evaluate the Medium-Term Effects of Oat Fibers on Human Health: The Beta-Glucan Effects on Lipid Profile, Glycemia and inTestinal Health (BELT) Study ↩︎
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
この記事でわかること