やっとニキビが治ったと思っても、茶色や赤いシミが残ってしまう…。ニキビを治しても長期的に私たちを悩ませるのが、ニキビ跡の色素沈着です。
ニキビ跡の色素沈着はメイクで隠そうとしても目立ってしまったり、メイクが崩れるとさらに気になってしまうことも。色素沈着になると数ヶ月単位で赤みや茶色のシミと付き合っていかなくてはいけないので、ニキビよりも厄介な悩みとして抱えている方が多いです。
しかしニキビ跡は原因をしっかりと理解して、ニキビができているときにニキビ跡にならないような対処法をとったり、できてしまっているニキビ跡にも適切なケアをすることで、少しずつ肌を整えることが可能です。ぜひこの記事を参考にして厄介なニキビ跡の色素沈着を解決して、健康でうつくしい肌を手に入れましょう。
ニキビ跡の種類
ニキビ跡の色素沈着はどれも同じに感じますが、実は2種類あります。よくみてみると見た目も違い、できる原因も異なるので、まずは自分のニキビ跡の種類と原因をしっかりと理解することが重要です。
まずは、ニキビのでき方や種類を少しだけ解説します。ニキビといっても実は、3つの段階があります。
まず1段階目は、皮脂や汚れが原因で閉じてしまった毛穴の中に皮脂が溜まります。この時点では白ニキビといって赤みはないですが、プツプツとした白い凹凸が目立つ状態です。
2段階目は、皮脂をエサにするアクネ菌が毛穴の中で増殖すると、毛穴の中で炎症が起こります。この状態を赤ニキビといい、多くの方が「ニキビ」というと思い浮かぶ、真っ赤に腫れた状態です。
3段階目は毛穴の炎症を静めるために、身体の中の白血球が集まりアクネ菌を攻撃します。そしてアクネ菌の死骸などが膿となって、黄ニキビになります。
ニキビ跡は、2・3段階目の赤ニキビと黄ニキビのときにできやすいです。まずはしっかりとニキビ跡の種類を見分けましょう。
血管の拡張よる赤いニキビ跡
まずは赤みが残っているニキビ跡です。赤みが長期間残っているニキビ跡は、炎症が長引いていると思っている方が多いのですが、実は原因が違います。顔に長期間残る赤みは、ニキビ跡以外でも原因は全て同じです。その原因とは、毛細血管が透けてみえているからです。
赤ニキビや黄ニキビが治るまでの期間で継続的な炎症が起こると、より多くの白血球で早く炎症を沈静化しようとします。そして白血球が体内を移動するときには、毛細血管を通って移動します。すると炎症が起きているニキビの部分に大量の白血球を集めようとして、毛細血管が拡張するんです。その結果、毛細血管の拡張が長期間続いていればいるほど、ニキビが治っても毛細血管の収縮までには時間がかかり、赤みだけが残る場合があるんです。
また、元々肌が薄く血管が透けやすい方は、血管拡張による赤みが顔に出やすく、後にも残りやすいという特徴があります。
赤みがあるニキビ跡は、血管の拡張が収まるとともに徐々に和らぎます。しかし、同じ場所に何回もニキビができると、血管が拡張したまま戻らなくなることもあります。
色素沈着による茶色のニキビ跡
ニキビ跡に関わらず、肌は刺激を受けるとメラニン色素を生成することでダメージを軽減します。メラニン色素はなんとなく日焼けのイメージがありますが、実はそれは紫外線ダメージを軽減するためにつくられているんですよ。
ニキビも炎症が起きることで、肌がダメージを受けます。するとメラニン色素生成の指令を出すメラノサイトが刺激されて、肌を守るために大量のメラニン色素を生成します。その結果、炎症が治った後の部分に茶色のシミが色素沈着として残ってしまうんです。
通常、メラニン色素はターンオーバーの過程で排出されます。そのため、半年から数年という長い時をかけると、徐々に薄くなるはずなのですが、炎症の度合いによってはメラニン色素が多すぎてずっと残ってしまう可能性があります。
今あるニキビの跡を残さないために気をつけること
ニキビ跡は、赤ニキビや黄ニキビといった炎症が進行したニキビで残りやすいです。そのためニキビができたと感じたら、なるべく早く治すことがニキビ跡を残さないことにもつながります。
今あるニキビに対しては、とにかく炎症を早く抑えることが大切です。スキンケアは抗炎症作用があるグリチルリチン酸ジカリウム・アラントイン・ティーツリーなどの成分が配合されているスキンケアを使用しましょう。
また、炎症を抑えるという点では、ニキビに対して刺激を与えないことも大切です。目立つのでついつい触りたくなりますが、さわれば触るほど炎症は悪化し、ニキビ跡になる可能性が高まります。できるだけニキビには触らないことを心がけるだけでも、ニキビ跡対策になりますよ。
ニキビ跡の色素沈着をケアする方法
ニキビ跡の色素沈着は目立ちやすく、メイクで隠しても肌のトーンが荒れて見えがちです。すぐに治るものでもないため、どんよりとした暗い気持ちを抱えてしまいますよね。
しかしニキビ跡は、自宅ケアだけでもコツコツと取り組むことでケアができます。また、「どうしてもすぐに治したい」という方には美容治療という選択肢もあります。ここではニキビ跡のケア方法を5つご紹介しているので、毎日のケアを見直してニキビ跡ケアを取り入れましょう!
ニキビ跡のケア方法①:美容治療
ニキビ跡は自宅ケアでケアすることもできますが、長期的な時間がかかります。今すぐにニキビ跡を治したいという方には、美容治療がおすすめです。
ニキビ跡に効果的な美容治療はいくつかあり、クリニックの専門医とカウンセリングをしながら、自分のニキビ跡にあった施術を選びましょう。
ここでは、実際に行われている施術をいくつかご紹介します。赤みがある場合には早く赤みを引かせる治療として、ターンオーバー促進や炎症抑制作用が期待できるLED治療やイオン導入、半年以上経過している赤みにはレーザー治療、茶色の色素沈着には蓄積しているメラニン色素を排出するケミカルピーリング治療が行われることが多いです。
ニキビ跡のケア方法②:紫外線対策を日常的におこなう
紫外線は肌のダメージとなり、メラミン色素の生成を指示するメラノサイトを活性化させます。するとニキビ跡となっている色素沈着の部分にもメラニン色素がさらに蓄積され、ニキビ跡が濃くなる可能性が高いです。また、紫外線は今できているニキビの刺激にもなるので、赤ニキビや黄ニキビへと進行し、結果的にニキビ跡ができやすくなってしまいます。
それ以外にも紫外線は肌の老化の大きな原因ともいわれているので、いつ・いかなるときでも対策をおこないましょう。紫外線は日差しが強くない雨や曇りでも多くの量が降り注いでおり、室内でもガラスを透過する特性があります。そのため目に見えて日差しが強い日以外でも、習慣的に日焼け止めや日傘を使用して対策をしましょう。
ニキビ跡のケア方法③:保湿ケアで肌のバリア機能を高める
肌は乾燥すると、紫外線や摩擦といった外部の刺激を受けやすい状態となります。ニキビの炎症だけでも十分ニキビ跡が残る可能性があるにも関わらず、乾燥状態だとさらに刺激が加わって炎症が悪化する可能性が高まります。すると炎症が沈静化するのも遅くなり、赤みがニキビ跡として残りやすくなってしまうんです。
肌のバリア機能を高めるためには、肌をうるおいで満たすことが大切です。肌のバリア機能を担っているのは、天然保湿因子・細胞間脂質・皮脂膜の3要素。スキンケアでも天然保湿因子の成分に近いアミノ酸、細胞間脂質の成分に近いセラミド、皮脂膜の成分に近いスクワランなどのうるおい成分を多く配合したスキンケアを取り入れましょう。
ニキビ跡のケア方法④:角質ケアでターンオーバーを整える
肌には、古い細胞を新しい細胞へと入れ替えるターンオーバーというサイクルがあり、肌の奥の基底層で新しい細胞をつくり、古い角質を肌表面へと押し上げます。メラニン色素も通常であれば、ターンオーバーで肌の外に排出される仕組みとなっています。
しかしメラニン色素の量があまりにも多いとターンオーバーで排出しきれずに、色素沈着としてニキビ跡やシミとなってしまうんです。さらにはターンオーバーの周期が乱れると、よりメラニン色素の排出が遅くなり、ニキビ跡などの色素沈着の改善が遅れます。
そこで、肌表面に溜まった古い角質を取り除くケアをすることで、ターンオーバーを整えるケアが必要です。
角質ケアには、スクラブやゴマージュなどで物理的にオフする方法と、ピーリング成分が配合されている拭き取り化粧水などでオフする方法があります。スクラブやゴマージュといった物理的なオフの方法は肌の刺激となる可能性があり、ニキビがある状態では炎症が悪化してしまう可能性が高いです。そのため、AHA(アルファヒドロキシ酸)やBHA(ベータヒドロキシ酸)などの酸を含む成分が配合された拭き取り化粧水などで、やさしく古い角質を取り除きましょう。
メラニン色素の排出を促す美白成分を取り入れる
茶色のニキビ跡はメラニン色素の蓄積のため、メラニン色素の排出を促す成分を取り入れましょう。メラニン色素の排出を促す美白成分を以下にまとめましたので、スキンケアを選ぶときに参考にしてみてくださいね。
ビタミンC誘導体
メラニン色素の還元・メラニン色素合成の抑制・ニキビの原因となる皮脂の過剰な分泌を抑制
プラセンタ
メラニン色素生成の抑制・ターンオーバーを促進しメラニンの排出を促す
4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)
メラニン色素生成の抑制・メラニン色素の排出を促す
エナジーシグナルAMP
メラニン色素の排出を促す
まとめ
今回はニキビ跡の色素沈着について、種類や原因・対策をくわしく解説しました。ニキビ跡の色素沈着は肌に残る頑固な悩みとして、多くの方が抱えている肌悩みです。実際に「もう消えないだろう」「美容治療じゃないと消えない」と諦めている方が多いのですが、実は自宅ケアだけでも、時間はかかりますがケアができます。
ニキビ跡には血管の拡張による赤みがあるタイプと、メラニン色素の生成による茶色のタイプがあります。色素沈着が起きるのは茶色のタイプなので、肌のターンオーバーの促進や保湿・紫外線対策・メラニン色素の排出を促す美白成分を含んだスキンケアをしっかりとおこなうと、蓄積しているメラニン色素を徐々に排出して色素沈着のケアができます。即効性はないですが、コツコツと地道なケアを続けて、より自信が持てる肌を手に入れましょう!