尿素のスキンケアはどんな効果がある？注意点＆副作用と選び方を解説

尿素は、スキンケアや医薬品に古くから使われている成分です。

秋冬になると「尿素配合」と書かれたスキンケアや医薬品が店頭に並ぶことから、気になっている方も多いでしょう。

この記事では、尿素のスキンケアの効果や注意点、副作用についてくわしく解説します。

また、尿素配合スキンケアの選び方とおすすめ商品6選も合わせてご紹介しますので、美肌ケアにお役立てください。

尿素とはどのような成分？

尿素は体内にあり、肌の天然保湿因子を構成する成分で、タンパク質が分解されるときに生じて尿として排出されます。

尿素は18世紀に発見され、1950年頃から尿素の生産量が増大し化粧品に配合されるようになりました。

尿素はアンモニアと二酸化炭素を原料として、高温高圧の環境で合成されている成分です。

参考資料：BSI生物科学研究所　尿素　

尿素のスキンケア効果

尿素配合のスキンケアは、保湿効果や角質柔軟効果があり、化粧水やクリームなどのスキンケアに配合されています。

また、医薬部外品の有効成分として、肌荒れを予防する効果が認められている成分です。

水分を保持する保湿効果

尿素は分子が小さいことから角質層に浸透しやすく、水分を集め保持する効果があります。角質層のうるおいを保つ天然保湿因子（NMF）の材料になることから、保湿効果や肌をなめらかに整える効果があります。

角質柔軟効果

尿素は、肌の角質をやわらげる角質柔軟効果があります。

表皮の一番上にある角質細胞は、核を持たない細胞でターンオーバーにより順番に剥がれ落ちていく細胞です。

角質をやわらげ古い角質を剥がれやすくし、ターンオーバーのサイクルを整えることにも期待できます。

肌荒れ予防効果

尿素は医薬部外品の有効成分として、肌荒れを予防する効果が認められています。

主に手足やひじ、かかとなどのケアに用いられることが多いです。

尿素の医薬品効果

化粧品の尿素は10％未満までの配合ですが、医薬品は尿素が10％以上配合されています。

化粧品の場合は、保湿効果や柔軟効果、肌荒れ予防にとどまりますが、医薬品は肌荒れ改善や角質溶解効果があります。

肌荒れやかゆみの改善効果

医薬品に配合される尿素は、肌荒れやかゆみの改善治療にも使われています。処方薬には「ケラチナミンコーワクリーム20％」や「ウレパールクリーム10％」などがあります。

乾燥やかゆみを伴う皮膚病、魚鱗癬（ぎょりんせん）、老人性乾皮症、アトピー皮膚などの治療に使われています。

乾燥やかゆみ治療の場合は、市販薬ではなく皮膚科の処方で使用することをおすすめします。

参考資料：日経メディカル　処方薬事典

肌の水分量を増加させる効果

尿素には肌の水分量を増加させる効果があり、角質層までしっとりとしたうるおいを与えます。

乾燥肌とは、水分量が少ない肌のことをいいますが、水分量を増加させることで乾燥肌の改善にも期待できます。

厚くなった角質をやわらげる効果

医薬品として販売されているハンドクリームやかかとケアクリームには、厚くなった角質を溶かしてやわらげる効果があります。

尿素の配合が多いほど角質を分解する効果があるため、ガチガチのかかとやひじなどの部分ケアに役立ちます。

尿素使用時の注意点と副作用

尿素は角質を分解する効果があるため、使い方によっては肌を傷めてしまう可能性があります。

ここでは、尿素使用時の注意点や副作用についてお伝えします。

塗りすぎると刺激になる場合がある

尿素は指定された量よりも多く塗りすぎたり、使用頻度が多いと刺激になる場合があります。

使用中には、下記のような副作用が起こることがあります。

処方薬の場合は医師に相談し、市販薬の場合は薬剤師に相談または使用を控えるなどしましょう。

敏感肌やデリケートな肌は控える方がよい

尿素は保湿効果がありますが、角質を分解する効果もあるため、敏感肌やデリケートな肌は控えるほうがよい場合があります。

濃度が低い化粧品でも、肌につけてほてりや赤み、ヒリヒリ感があれば使用を控えておきましょう。

尿素の配合量で使用年齢が異なる

尿素には主に10％配合、20％配合のものがあり、配合量で使用できる年齢が異なります。

化粧品の場合は、10％以下の濃度なので年齢制限はありませんが、乳児への使用は避けましょう。

参考資料：万協製薬株式会社

医薬品は妊娠中や授乳中に使えないものもある

医薬品の尿素配合製品は、妊娠中や授乳中に使えないものがあります。

尿素20％配合クリームは、ドラッグストアでも手軽に入手できますが、使用しても大丈夫なものかどうかを薬剤師に確認しましょう。

ネット販売などでわからない場合は、購入を控えましょう。

尿素配合スキンケアの選び方

尿素は日常的なスキンケアに使うもの、ひび割れや肌荒れに使うものによって選び方が異なります。

目的に合わせた使い方ができる選び方をお伝えします。

顔に使うものは尿素を補助的に配合しているものを選ぶ

尿素が配合されたスキンケアを顔に使う場合は、高濃度ではなく補助的に配合しているものを選びましょう。

一般的な化粧品の配合は、0.03〜0.8％の商品が多いため、日常的に使うことができます。ハンドケアやボディケア商品の場合は、0.3〜8％と幅が広いことから、刺激を感じる場合はかかとやひじなどの部分使用にとどめておくことをおすすめします。

参考資料：化粧品成分オンライン

尿素の配合量を見て選ぶ

化粧品の場合は、あまり問題ありませんが、医薬品になると尿素の濃度が10〜20％と高濃度になります。

手荒れ対策に使う場合は10％、ガチガチの角質に使うなら20％が目安です。

尿素の濃度が20％になると肌を溶かす効果が強くなるため、角質をやわらげたい場所のみに使うようにしましょう。

尿素配合おすすめスキンケア・医薬品6選

尿素が配合された、顔に使えるスキンケアやハンドクリーム、医薬品のおすすめ商品を6選ご紹介します。

The Ordinary  NMF+HAフェイスモイスチャークリーム

The Ordinaryの『 NMF+HAフェイスモイスチャークリーム』は、2024年5月に発売され非常に人気の高い尿素配合クリームです。

The Ordinaryは、カナダで2016年に生まれたブランドでリーズナブルな価格で高品質のスキンケアを届けることを目的に開発されました。

尿素をはじめ、アミノ酸、脂肪酸、セラミド、ヒアルロン酸などを配合し、乾燥から肌を守りながらうるおいを与えます。

2024年10月31日にAmazon公式ショップがオープンされ、べたつかない使用感でうるおいながら、リーズナブルな価格で非常に人気が高まっている商品です。

商品名	The Ordinary  NMF+HAフェイスモイスチャークリーム
価格/容量	1,320円（税込）/30mL 2,420円（税込）/100mL
有効成分	ー

OSAJI（オサジ） チューニング　ハイドレイティング　ローション

オサジの『チューニング　ハイドレイティング　ローション』は、角層内の天然保湿因子（NMF）に着目して作られたうるおい化粧水です。

天然保湿因子を構成する尿素やアミノ酸誘導体^※を新たに配合し、2024年10月にリニューアル発売されました。

ざらつきやテカリ、肌荒れしやすい方におすすめの化粧水です。

商品名	OSAJI（オサジ） チューニング　ハイドレイティング　ローション
価格/容量	3,300円（税込）150mL
有効成分	ー

※ ジヒドロキシプロピルアルギニンHCI

CHOOSY（チューシー）ナイトニードルリップ 

チューシーの『ナイトニードルリップ』は、7万本^※1の美容針^※2で唇をふっくらケアできる夜用リップクリームです。

皮膚が薄い唇にうるおいを与える尿素やアミノ酸、ビタミンCを配合し、ハリを与えるトウガラシ果実エキスを豪華配合し、2024年10月に発売されました。

就寝中のシンデレラタイムを利用したお手軽リップケアアイテムです。

商品名	CHOOSY（チューシー）ナイトニードルリップ
価格/容量	1,540円（税込）15g
有効成分	ー

※1 1本あたり
※2 加水分解カイメン

米肌（MAIHADA）肌潤ハンドトリートメント

米肌の『 肌潤ハンドトリートメント』は、高保湿なライスパワー®No.7や尿素、ヒアルロン酸、大豆発酵エキスなどの保湿成分を配合したハンドクリームです。

みずみずしい美容液ベースで、素早くなじむから塗布後すぐにスマホをストレスフリーで使えます。

ピンクベースのカラーがくすみ^※をカバーし、つややかな手指へとケアします。

商品名	米肌（MAIHADA） 肌潤ハンドトリートメント
価格/容量	990円（税込）/30mL 3,080円（税込）/150mL
有効成分	ー

※ 乾燥によるもの

UREA  尿素10％クリーム【指定医薬部外品】

UREA の『尿素10％クリーム』は、有効成分の尿素を10％配合した乳液タイプのクリームです。

硬くなった皮膚をやわらげ、手足の荒れ、カサつきを緩和します。

指先、かかと、ひざなどの角質が硬くなった部位のケアにおすすめのクリームです。

商品名	UREA  尿素10％クリーム【指定医薬部外品】
価格/容量	550円（税込）/60g 825円（税込）/100g
有効成分（1g中）	尿素100mg、酢酸トコフェノール1mg、グリチルリチン酸ジカリウム0.5mg

ケラチナミンコーワ20％尿素配合クリーム【第3類医薬品】

『ケラチナミンコーワ20％尿素配合クリーム』は、乾燥肌に対してすぐれた改善効果をもつ尿素を20％配合された医薬品です。

水仕事や育児などの手荒れや肌荒れのケアに使用できます。

【効能・効果】
手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症、さめ肌

商品名	ケラチナミンコーワ20％尿素配合クリーム【第3類医薬品】
価格/容量	1,500円（税込）/60g 2,000円（税込）/150g
成分名・分量（100g中）	尿素20g

尿素は美肌ケアや手荒れ、かかとケアに効果的な成分

尿素はハンドクリームでの配合が有名ですが、スキンケアや肌荒れにも幅広く使用できる成分です。

基本的に顔のスキンケアは濃度の低い化粧品、角質が硬くなったボディケアには医薬品などとうまく使い分けましょう。