アズレンとは?肌への美容効果について詳しく解説

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近年韓国コスメでも注目を集めているアズレン。医薬品としても使われている抗炎症作用のある成分ですが、化粧品や美容分野ではどのような働きをするのでしょうか?

この記事ではアズレンとその誘導体が肌に与える効果や使用時のポイントについて詳しく解説します。

この記事でわかること

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アズレンとその誘導体について

アズレンとは、深い青色を示すのが大きな特徴の成分で、紫外線による紅斑抑制効果などの抗炎症作用をもつことが知られています。純粋なアズレンはサイズの異なる5員環と7員環がくっついた二環構造をもつ成分です。その特徴的な構造により、青色を発色するとされています。1

アズレンおよびその誘導体は、天然ではカモミールやセイヨウノコギリソウなどの植物の精油に含まれています。

化粧品・医薬品分野では、アズレンの構造を基本としたアズレン誘導体(カマズレン、グアイアズレン、アズレンスルホン酸ナトリウムなど)が主に使用されており、その多くは人工的に合成されたものです。

厳密にいうとアズレンとアズレン誘導体は別物ですが、化粧品分野ではこれら誘導体を含めて『アズレン』と表記する場合が多いです。

主なアズレン誘導体

アズレンの構造を基本として、さまざまな誘導体が存在しています。なかでも化粧品や医薬品で主に使われるアズレン誘導体として、「カマズレン」「グアイアズレン」「アズレンスルホン酸ナトリウム」が挙げられます。この章ではこれらの成分について解説します。

カマズレン

天然由来のアズレン誘導体で、ジャーマンカモミール(カミツレ)などの精油を抽出する際に生成される成分です。カマズレンの生成により、カモミールの精油は特徴的な深い青色を帯びます。

抗炎症作用、抗アレルギー作用をもち、クリームやフェイスオイルなどの化粧品にも使用されている成分です。2カミツレ花エキス(カモミラエキス-1)に含まれる成分のひとつでもあります。3

カマズレンはUVBにより引き起こされる炎症や酸化を軽減するという報告もあり、日焼け止めとしての活用も期待されています。4

グアイアズレン

グアイアズレンは、ユソウボクという木の精油やジャーマンカモミール(カミツレ)の精油から得られる天然由来のアズレン誘導体です。5

こちらも抗炎症作用や抗アレルギー作用をもつ成分であり、青色を示します。脂溶性であり皮膚に浸透しやすいため、美容液やクリームなどの化粧品で使用されることが多いです。

一部の研究では、グアイアズレンの誘導体にがん細胞の増殖を抑える可能性が示されており、医療分野でも研究が進められています。6

アズレンスルホン酸ナトリウム

主に医薬品で使われるアズレン誘導体です。天然由来ではなく、人工的に合成することによって作られます。

強い抗炎症作用と創傷治癒促進作用をもち、喉の腫れや粘膜の炎症を抑えます。7青色を呈し水に溶けやすい性質であり、うがい液や点眼液などの医薬品に配合されています。

アズレン誘導体の肌に対する効果

アズレン誘導体の肌に対する効果として、抗炎症作用や抗アレルギー作用、バリア機能のサポート、紫外線から肌を守る作用などが挙げられます。それぞれ作用機序とともに詳しく解説します。

抗炎症作用

アズレンやアズレン誘導体には、炎症を抑える働きがあり、この作用は複数の作用機序によるものと考えられています。

  • まず細胞膜を安定化させる作用により、外部からの刺激に対する感受性が抑えられ、炎症反応が起こりにくくなるとされています。[1]
  • また、TNF-αやインターロイキン6などの炎症を引き起こすサイトカインの産生を抑制することも報告されています。[2]
  • 加えてグアイアズレンなどのアズレン誘導体は、抗酸化作用を有するとされており、活性酸素種により引き起こされる炎症を間接的に抑える働きも期待されています。[1]

これらの抗炎症作用により、紫外線による紅斑や肌荒れによる炎症を伴う肌トラブルに対しても効果が期待されています。

抗アレルギー作用

アズレン誘導体には、ヒスタミンというアレルギーを引き起こす物質の放出を抑える作用があるとされています。

  • アズレンスルホン酸ナトリウムを使ったラットの動物実験では、白血球が炎症部分へ移動するのを抑制する作用と、肥満細胞からヒスタミンが遊離するのを抑える作用が確認されています。[7]

このヒスタミンを抑える作用により、肌荒れや皮膚過敏反応を鎮める目的でスキンケア製品などに使用されています。

バリア機能のサポート

アズレンおよびその誘導体は、肌の炎症を抑えることにより、バリア機能をサポートする効果が期待されています。

  • 乾燥肌・アトピー肌の方を対象とした研究では、0.02%のグアイアズレン誘導体と1%のセラミド(保湿成分)を含む外用剤を23人に4週間使用したところ、皮膚の水分量が64%増加しました。さらに肌のざらつきの減少や、かゆみも顕著に改善されたことが報告されています。8

アズレン誘導体単独での保湿効果については十分なデータがありませんが、セラミドなど他の保湿成分と併用することで、相乗効果により保湿効果が高まることが示されています。

紫外線から肌を守る作用
  • アズレン誘導体の一種であるカマズレンは、UVB照射により引き起こされる炎症を和らげる働きが報告されています。[4]
  • また一部のアズレン誘導体は、紫外線を吸収したり、紫外線によって発生するフリーラジカルを捕捉したりすることで、肌を紫外線から守る役割をするとされています。[1]

こうした特性から、現在研究段階ではありますが、アズレン誘導体の日焼け止めとしての応用も期待されています。

アズレン誘導体がおすすめな人

アズレン誘導体は肌の炎症を穏やかに整えるため、敏感肌や肌荒れしやすい方のスキンケアに適しているとされています。

軽度の敏感肌の方、乾燥による肌荒れが気になる方、バリア機能が低下している方などにおすすめです。また、炎症性の肌トラブルを抱えている方にも適していると考えられます。

ただし、肌の炎症が強い場合は自己判断でケアを続けると、かえって症状が悪化することもあります。ニキビや湿疹などの炎症がひどい場合は、皮膚科などの医療機関を早めに受診し相談しましょう。

アズレンとその誘導体の注意点

グアイアズレンなどのアズレン誘導体は、長期にわたり使用されてきた成分であり、これまでのところ皮膚刺激などの大きな副作用は報告されていません。

しかし一部の研究では、アズレンおよびその誘導体のグアイアズレンに光変異原性がある可能性が指摘されています。9そのため、グアイアズレン配合のスキンケア商品を使用する際は、夜のみのケアに限定する、使用後は直射日光を避けるため日傘や帽子を使う、日焼け止めでしっかり紫外線対策をおこなうなどの対応をするのがおすすめです。

  • 光変異原性:紫外線と相互作用することにより、生物のDNAを傷つけてしまう性質

アズレン誘導体で健康的な肌になろう

アズレン誘導体は医薬品にも使われている抗炎症成分であり、化粧品においても青色の着色や、抗炎症、抗アレルギーなどの目的で使用されています。

デリケートな肌質の方や、紫外線による肌荒れなどの肌悩みを抱える方のケアに向いており、健やかな肌へと導くことが期待されています。

アズレン誘導体を毎日のスキンケアに取り入れ、健康的な美肌を目指してみてはいかがでしょうか。

参考文献

  1. Emilia Slon, Bartosz Slon, Dorota Kowalczuk .Azulene and Its Derivatives as Potential Compounds in the Therapy of Dermatological and Anticancer Diseases: New Perspectives against the Backdrop of Current Research.Molecules. 2024 Apr 27;29(9):2020.  ↩︎
  2. Paweł Bakun, Beata Czarczynska-Goslinska, Tomasz Goslinski , Sebastian Lijewski .In vitro and in vivo biological activities of azulene derivatives with potential applications in medicine. Med Chem Res. 2021 Jan 30;30(4):834–846. ↩︎
  3. 化粧品成分オンライン.カミツレ花エキスの基本情報・配合目的・安全性 ↩︎
  4. Ying Zhou, Wencui Wang, Lei He, Nan Zhang, Bowen Zhou, Zimeng Chen, Li Ma, Lei Yao.Chamazulene Induces Metabolic Reprogramming and Mitigates Inflammation in Photoaged Skin: PPARα/γ as Potential Regulators.
    Ying ZhouLei HeWencui WangGuodong WeiLi MaHuanyan LiuLei Yao. Artemisia sieversiana Ehrhart ex Willd. Essential Oil and Its Main Component, Chamazulene: Their Photoprotective Effect against UVB-Induced Cellular Damage and Potential as Novel Natural Sunscreen Additives.ACS Sustainable Chemistry & EngineeringVol 11/Issue 50 ↩︎
  5. 化粧品成分オンライン.グアイアズレンの基本情報・配合目的・安全性 ↩︎
  6. Chieko Kasami, Jun‐ichi Yamaguchi, Hideki Inoue.Guaiazulene derivative 1,2,3,4‐tetrahydroazuleno[1,2‐b] tropone reduces the production of ATP by inhibiting electron transfer complex II.FEBS Open Bio. 2021 Sep 21;11(11):2921–2932. ↩︎
  7. アズノールうがい液4% 添付文書 ↩︎
  8. Su In Park.Kwang Won Lee.Itching and Atopy Relief using Azulene Derivatives and High-Content Ceramide Skin Barrier Nano-Liposome Structures by Dry Skin Authors. ARCHIVES.VOL. 10 NO. 1S (2022)   ↩︎
  9. Lei Wang, Jian Yan, Shuguang Wang, Hari Cohly, Peter P Fu, Huey-Min Hwang, Hongtao Yu.Phototoxicity and DNA damage induced by the cosmetic ingredient chemical azulene in human Jurkat T-cells.Mutat Res. 2004 Aug 8;562(1-2):143-50. ↩︎
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