「化粧水が肌にしみる」「肌荒れを繰り返す」などの症状があり「自分は敏感肌かもしれない」と感じたことはありませんか?
女性の肌は、季節の変わり目や月のタイミングで、肌状態が変わります。
今回は、敏感肌になってしまう原因とスキンケア法についてくわしく解説します。敏感肌におすすめの守りのケア方法と注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
敏感肌の原因は何?
敏感肌になってしまう原因はいくつかあります。
敏感肌になったご自身の原因が何であるかを知ることで、対策法がわかりますので下記の項目をチェックしてみてください。
持って生まれた肌質
敏感肌には、元々持って生まれた肌質が敏感肌である方と、元々敏感肌ではないが後天的に敏感肌になった方の2パターンがあります。
持って生まれた肌質が敏感肌の場合は、通常の肌よりもバリア機能が低下しやすい肌質ということです。
自分が敏感肌と自覚していると、合わない成分や攻めたスキンケアを避ける、低刺激なスキンケアを選ぶことで予防ができます。
洗い過ぎによる乾燥・肌ダメージ
後天的に敏感肌になってしまう方の特徴に多いのが、洗い過ぎによるバリア機能の低下です。
肌が脂っぽい、毛穴汚れが気になるからと1日3回以上洗顔をおこなうと、肌本来のうるおい成分が流れて乾燥性敏感肌、または刺激性敏感肌になる場合があります。
20代後半までは皮脂分泌が活発ですが、30代以降になると水分量とともに皮脂分泌も低下してしまうことから、洗顔は多くて朝晩の2回までにとどめましょう。
洗顔料は、なるべく洗浄力がマイルドなアミノ酸系や、保湿成分が配合されたタイプがおすすめです。
肌の乾燥を放置
肌は乾燥を放置すると、内部がスカスカになりバリア機能が低下し、敏感肌に傾きやすくなります。
特に化粧水だけの簡素なスキンケアをおこなっていると、時間の経過とともに水分が蒸発してしまうため、油溶性成分である乳液やクリームをセットで使っていきましょう。
化粧水や乳液を使っているけど肌が乾燥してしまう方は、スキンケアの量やアイテムの見直しをしてみてください。
気温や湿度の変化
日本は四季があり、夏と冬では気温も湿度も大きく異なります。
気象庁の2022年東京の気温は、最低気温-3.4℃、最高気温37.7℃と、約40℃もの差が生じています。湿度も平均54〜80%と大きな開きがあります。
季節の変わり目の寒暖差に、肌が順応できず肌荒れを起こす人も少なくありません。
春や秋になると肌荒れを繰り返す方は、気温や湿度の変化によるものと考えられます。
特に春先は、気温の変化だけでなく花粉やPM2.5などの影響もあり、敏感になりやすい時期といえます。
参考資料:気象庁
加齢による保湿成分の減少
肌の水分量は赤ちゃんのときが一番多く、年齢を重ねるごとに減少していきます。
赤ちゃんの水分量を100とすると、30代では約65%、40代になると約50%まで減少します。
※横軸:年齢
バリア機能を維持するセラミドは、20代を100とすると50代に約50%まで減少すると言われています。
特に40代後半になると女性ホルモンが減少し、肌そのもののうるおいが低下してきます。今まで肌荒れとは縁が無かった方も、加齢により敏感肌になることがあります。
参考資料:大正製薬
女性ホルモンの変動
月経前になると「肌荒れする」「ニキビができる」という経験はありませんか?
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロン、2種類のホルモンがあります。
- エストロゲン(卵胞ホルモン):月経後に増加するホルモンコラーゲンを増やし、肌にハリやうるおいを与える
- プロゲステロン(黄体ホルモン):排卵後に増加するホルモン皮脂分泌を促し、ニキビや肌荒れの原因になる
月経前にはプロゲステロンが増加することで、肌が脂っぽくなりニキビや肌荒れしやすくなります。
あらかじめ肌荒れする時期が読めるため、肌荒れしてしまう方は、肌荒れを予防するスキンケアを取り入れるのがおすすめです。
敏感肌のおすすめスキンケア成分
敏感肌は、肌が敏感であるがゆえ、どんな成分でも使えるわけではありません。
攻めのレチノールや高濃度のビタミンC美容液が使えない方もいるでしょう。
敏感肌のスキンケアは基本的に「守りのケアをおこないます。
敏感肌におすすめのスキンケア成分をご紹介しますので、スキンケア選びの参考にしてみてください。
肌にうるおいを与える成分
敏感肌は肌にうるおいを与えるケアをメインに、乾燥させないようにすることが大切です。
敏感肌が不足しがちな成分を肌に取り入れていきましょう。
【医薬部外品】
- ライスパワーNo.11
- ヘパリン類似物質
【保湿成分】
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- アミノ酸
- グリセリン
肌荒れを予防する成分
敏感肌がスキンケアを選ぶときのチェックポイントは、肌荒れを予防する成分が配合されているかどうかです。
肌荒れや炎症を抑える働きがあり、季節の変わり目や月経前のニキビ予防としても活用できます。
- グリチルリチン酸ジカリウム
- アラントイン
- トラネキサム酸
- ビタミンE誘導体
- ライスパワーNo.11+
- グリチルレチン酸ステアリルSW
敏感肌のスキンケア法の手順
敏感肌は正しいスキンケアをおこなうことで、肌荒れやゆらぎを予防することができます。
クレンジング
クレンジングは肌に合うタイプを使用し、肌に置く時間をなるべく短くするのがポイントです。コットンで使用するタイプやシートタイプは、摩擦の刺激が生じやすいためおすすめしません。
クレンジングは、マッサージができるタイプもありますが、マッサージをしたとしても1分以内で終わらせましょう。
【クレンジングの手順】
- クレンジングを少し多めに手に取る(肌摩擦を避けるため)
- バームやクリームはおでこ、両頬、鼻、あごの5点に置き、オイルの場合は手のひら全体で塗布
- クレンジング剤のすべりを利用してやさしくのばしメイク汚れになじませる
- 手をぬるま湯で濡らし、クレンジングを乳化させる
- ぬるま湯でしっかり洗い流す
クレンジングはW洗顔不要のタイプを選び、1回で終了するほうが肌に負担がかかりません。
洗顔
洗顔料は、洗浄力がマイルドなアミノ酸系洗浄成分のタイプや、ヒアルロン酸やアミノ酸が配合されたタイプがおすすめです。
【洗顔の手順】
- ぬるま湯で軽く顔を洗う
- 洗顔料をしっかり泡立てる
- Tゾーン→Uゾーンの順番にのせる
- 目の周りはサッと泡をのせる程度に
- ぬるま湯でしっかりと洗い流す
クレンジング、洗顔ともに、使い捨ての「洗顔タオル」「クレンジングタオル」の使用がおすすめです。顔にのせるだけで水分を吸収してくれるため、摩擦レスで水気をオフできます。
化粧水
化粧水は手のひらにとり、顔全体を包み込むように塗布します。
肌が満足するまで重ねづけしましょう。
摩擦を避けるためにコットンは使用せずに、なるべく手でつけるようにしてください。
乳液・クリーム
乳液やクリームは肌を摩擦せず、すべらすように塗布しましょう。
最後は、ハンドプレスで浸透させてください。
敏感肌スキンケアの注意点
敏感肌はバリア機能を整えるため、保湿ケアをしっかりすることが大切です。
しかし、保湿ケアもやり方を間違えると肌荒れの原因になってしまうため、注意点をお伝えします。
シートマスクは毎日使用しない
シートマスクは、ながら美容ができる人気アイテムですが、シートマスクをのせるとバリア機能が一時的にゆるみやすくなります。
肌荒れしているときはシートマスクは避けて、肌の調子が良い日におこなうことをおすすめします。
また、大容量タイプで防腐剤が使用されていないタイプのシートマスクは、敏感肌には基本的におすすめしません。
防腐剤として使われるパラベンやフェノキシエタノールは、肌刺激が少ない成分です。
しかし、防腐剤無添加の場合は、防腐効果のあるベース成分を多く配合しないといけないため、敏感肌には負担になるケースがあります。
防腐剤無添加は、一見聞こえがいいですが敏感肌には却って肌荒れのリスクになることもあるのです。
肌荒れ時はスキンケアアイテム数を減らす
いつもスキンケア時に、化粧水+美容液+乳液+クリームなど複数アイテムを使っている方は、肌荒れ時にはアイテム数を減らすことをおすすめします。
なぜなら、アイテム数が多いほど何らかの成分が刺激になる可能性があるからです。
肌が荒れてしまうと「早く回復させたい」という思いから、ついたくさんつけたくなってしまうかもしれませんが、化粧水+クリームの2点程度で保湿をしていきましょう。
敏感肌スキンケアでゆらがない肌へ
悩ましい敏感肌も、肌に合ったスキンケアをおこなうことでゆらぎにくい肌を目指せます。
いつも敏感肌の方はもちろん、ときどき敏感肌の方も守りのケアでバリア機能を守りましょう。