スキンケア商品の成分名の違いとは?商品を購入する際のポイントも解説

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スキンケア商品を選ぶ際「似ている成分名があるけど違いがわからない」「どの成分が肌に合うのか知りたい」「化粧品、医薬部外品、医薬品の違いが気になる」と悩むことはないでしょうか。

本記事では、スキンケア商品の成分名が異なる理由や、それぞれの特徴について詳しく解説します。また、商品を購入する際に押さえておきたいポイントもご紹介します。

目次

スキンケア商品の成分表示の違い

スキンケア商品のうち「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」によって成分表示は異なります。

化粧品医薬部外品医薬品
目的美容・衛生予防・衛生管理治療や予防
成分表示すべての成分を配合量の多い順に表示有効成分と添加物が明確に区別され、それぞれ個別に記載有効成分とその他の成分が区別され、有効成分は特に強調して表示
法的規制化粧品基準医薬品医療機器等法医薬部外品基準

以下で詳しく解説します。

化粧品

化粧品は、日常的な「スキンケア」や「美容」目的で使われる商品で、効果が緩やかなことが特徴です。

化粧品は全成分表示が義務化されています。全成分表示は以下のようなルールです。

①配合量順に記載
成分は配合量が多い順に記載されています。ただし、配合量が1%以下の成分については順不同で記載可能です。

②香料や着色剤の記載
香料や着色剤は、他の成分を記載した後にまとめて記載されています。また、香料は具体的な成分名ではなく「香料」として記載することも可能です。

③キャリーオーバー成分
製品中に微量しか含まれず、効果を発揮しない成分(キャリーオーバー成分)は表示する必要がありません。

④抽出物の記載
抽出物を使用する場合、抽出された物質と溶媒を分けて記載する必要があります。ただし、最終製品に溶媒が残存しない場合はこの限りではありません。

⑤プレミックス成分の記載
混合原料(プレミックス)は、混合されている成分ごとに記載する必要があります。

成分表示を正しく理解することで、自分の肌に合った製品を選びやすくなります。

成分表示だけでは配合量や効果を完全に把握することは難しいため、実際に使用して肌の反応を確認するのが大切です。

医薬部外品

医薬部外品は、厚生労働省が認可した有効成分を一定濃度で配合し、治療ではなく「予防」や「衛生管理」を目的とした製品です。

具体的には、以下のようなルールがあります。

①成分表示順序
医薬部外品の成分表示は、まず「有効成分」を記載し、その後に「その他の成分」を記載します。例外で、1%以下の成分、着色剤は順不同で記載可能です。

②成分表示の義務
医薬部外品では全成分表示は義務ではありません。しかし、過去にアレルギーや刺激の報告があった「表示指定成分(102種類+香料)」が含まれる場合は、その成分を明記する必要があります。

③成分名称の統一
成分名称は、日本化粧品工業連合会が定めた「化粧品の成分表示名称リスト」に基づいて記載しています。

医薬部外品は、一定の効果を得られる一方で、化粧品よりも効果が強い場合がありますが、医薬品ほどの強い作用や副作用のリスクはありません

使用する場合は、成分表示を確認し、自分の目的に合った成分が含まれる商品を選ぶのが大切です。

医薬品

医薬品は、「治療」や「予防」を目的とした製品であり、人体に対する作用が強いことから、成分表示に関して厳格な規制が設けられています。

①有効成分と添加物の区別
医薬品の成分表示では、製品の主な効果である「有効成分」と、製品の安定性や使用感を向上させるために配合される「添加物」を明確に区別します。

②表示の義務化
厚生労働省の規定に基づき義務付けられています。特に、処方薬や一部の市販薬では、成分の詳細をパッケージや添付文書に記載する必要があります。

③成分名の記載順序
配合量が多い順に記載することが基本です。ただし、1%以下の成分や着色剤については、順不同で記載することが認められています。

医薬品の効果は、化粧品や医薬部外品より強いためリスクも大きくなりやすいです。

使用する際は医師や薬剤師の意見を聞きましょう。

成分名が異なる理由

成分名が異なる理由は以下の4つがあります。

  • 抽出方法の違い
  • 加工工程の違い
  • 成分表示ルールの違い
  • 成分の特性の違い

それぞれ詳しく解説します。

抽出方法の違い

スキンケア商品で使用される成分は、抽出方法によって成分名が異なる場合があります。同じ原料が使われていても、水蒸気で加熱し成分を抽出する「水蒸気蒸留法」 、水を溶媒として水溶性成分を抽出する「水溶性抽出」などで成分名に違いがあるのです。

例えば、

  • 水蒸気蒸留法で抽出した成分:「○○精油
  • 水溶性抽出で抽出した成分:「○○エキス」「○○水

などと記載されます。

抽出方法の違いを理解することで、成分の効果や特徴をより正確に把握することができます。

加工工程の違い

スキンケア商品の成分名は、加工工程の違いにより異なる場合があります。

化学反応の影響

原料が加工工程で化学反応を起こすと、最終製品に含まれる成分が元の原料とは異なる化学構造を持つ場合があります。この場合、成分表示には最終的な化学物質名が記載されます。

例:脂肪酸アルカリが反応して石鹸を生成する場合、原料の脂肪酸ではなく「石鹸素地」として表示

発酵や酵素処理の影響

発酵や酵素処理を行うことで、原料が分解され、新たな成分が生成される場合があります。

例:発酵によって生成された成分は「発酵液」として記載

精製工程の影響

原料が精製されることで、不純物が除去され、成分名がより具体的な化学名に変更される場合があります。

例:「植物油」が「トリグリセリド」や「脂肪酸エステル」として表示される

混合や乳化の影響

複数の成分を混合・乳化することで、成分の役割や表示名が変わる場合があります。

例:界面活性剤の生成過程では、原料の脂肪酸アルコールが「ココイル○○」や「ラウリル硫酸ナトリウム」として表示される

これらの加工工程を考慮することで、成分をより深く理解することが可能です。

成分表示ルールの違い

成分名は、成分表示ルールの違いや法的規制によって異なります。

化粧品は、日本化粧品工業連合会が作成した「化粧品の成分表示名称リスト」に基づいた成分名です。

例えば、「」や「エタノール」など分かりやすい成分名が採用されます。

一方、医薬部外品は厚生労働省に薬事申請した名称です。医薬部外品では、化学名や薬学的な名称がそのまま使われることが多く、化粧品とは異なる名称になる場合があります。

例えば、化粧品では「」、医薬部外品では「精製水」として記載されます。

成分の特性の違い

スキンケア商品の成分名が異なる要因の一つは、成分の特性の違いです。

成分の特性は、化学構造や物理的性質(例: 水溶性、脂溶性、揮発性)によって異なります。

例えば、保湿成分として使用される「ヒアルロン酸」は分子量によって浸透性や保湿力が異なり、「低分子ヒアルロン酸」と「高分子ヒアルロン酸」では、低分子ヒアルロン酸の方が浸透性が高いです。

成分名が似ている理由

成分名が似ている理由として3つ挙げられます。

  • 同じ原料でも加工方法が異なる
  • 表示ルールや規制が異なる
  • 誘導体化が異なる

それぞれ詳しく解説します。

同じ原料でも加工方法が異なる

同じ原料で加工方法が異なる場合、スキンケア商品に使用される成分が似ている場合があります。

例えば「アロエベラエキス」はそのままでは刺激性のあるアロインという物質を含みますが、精製することで刺激性が抑えられ「アロエエキス」として記載されるのです。

このように、似た成分名が表示されていても、製品ごとに異なる特性を持つ可能性があります。

表示ルールや規制が異なる

スキンケア商品の成分名が似ているもう一つの理由は、製品ごとに適用される表示ルールや規制が異なるためです。

化粧品、医薬部外品、医薬品のそれぞれで、成分の名称や表示方法が法律や規制によって定められています。

例えば、化粧品と食品では「ヒアルロン酸」と「ヒアルロン酸ナトリウム」と似ている成分名が使用されていますが、厳密には異なる成分です。
ヒアルロン酸ナトリウム」は化粧品に配合しやすい形状に加工したもので、分子量の調整が可能です。低分子化されたものは角層内に浸透しやすい特徴があります。

誘導体化が異なる

成分名が似ている理由には、原料が誘導体化される過程の違いが考えられます。

誘導体化とは、成分の化学構造を変化させることで、特定の機能性や安定性を向上させる加工方法です。同じ原料から作られた誘導体であっても、加工の過程や分子構造が異なることで、それぞれ異なる成分名が付けられます。

例えば、ビタミンCアスコルビン酸)はそのままでは不安定なため、「アスコルビン酸ナトリウム」や「アスコルビルリン酸ナトリウム」といった安定した誘導体に加工されます。

このような誘導体化が、成分名が似ている理由の一因です。

スキンケア商品を購入する際のポイント

スキンケア商品を購入する際は、以下の2点がポイントです。

  • 成分表示を確認する
  • 製品の特性を理解する

詳しく解説します。

成分表示を確認する

スキンケア商品を選ぶ際には、成分表示を確認することが大切です。

成分表示を正しく理解することで、自分の肌質や悩みに合った商品を選び、肌トラブルを防ぐことができます。

例えば、

  • 保湿を目的とするなら「ヒアルロン酸」や「セラミド
  • 美白には「ビタミンC誘導体」や「トラネキサム酸

などが効果的です。

一方、パラベンアルコールなど、刺激性のある成分には注意しましょう。

製品に記載された成分を理解し、自分の肌に適した商品を選ぶことで、より安心して使用できます。

製品の特性を理解する

スキンケア商品の特性を理解することは、効果を引き出すために重要です。例えば、保湿がメインのクリームと、美白効果を期待できる美容液では、使用目的やタイミングが異なります。

テクスチャーや香りも考慮することで、毎日のスキンケアが楽しく続けることが可能です。軽いテクスチャーは脂性肌や夏場に適しており、リッチなテクスチャーは乾燥肌や冬場におすすめです。

購入前には、商品説明や口コミを確認し、自分の肌悩みに合った製品かを見極めましょう。

成分名の違いを理解して適切なスキンケア商品を選びましょう

スキンケア商品には、化粧品、医薬部外品、医薬品の3種類があり、それぞれ成分表示のルールが異なります。

化粧品は全成分表示が義務付けられており、配合量が多い順に記載されます。
医薬部外品は、有効成分とその他の成分が分けて記載され、全成分表示は必須ではないです。
一方、医薬品は効果が強いため、成分表示には厳格な規定があり、有効成分と添加物が明確に区別されます。

同じ原料でも加工方法や規制により成分名が異なるため、成分表示の違いを理解し、自分の肌質や目的に合った商品を選びましょう。

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この記事を書いた人

「自分の肌に合ったものを見つける」ことをコンセプトに中立公正なスキンケア情報を得られるよう、質の高いコンテンツ作りに努めています。気になる美容のトピックや知りたいことがあれば、ぜひお問い合わせください。

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