「しみ」はどうして発生する?しみの種類や発生メカニズム、できやすくなる要因を解説

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「しみ」がどのように発生するかご存じでしょうか?

一般的に紫外線は皮膚に良くないと知られていますが、他にも活性酸素、女性ホルモン、遺伝子なども皮膚に影響します。また、しみは原因により大きく4種類あり、異なるメカニズムで発生します。

この記事では、しみの種類と発生メカニズムについて解説しています。しみの発生メカニズムを理解することはしみを予防するために大切です。しみの基礎知識を理解し、肌の健康を保ちましょう。

目次

しみの種類

しみは一見似たような外観をしていますが、大きく以下の4種類に分けられます。

  • そばかす(雀卵斑)
  • 肝斑
  • 炎症後色素沈着
  • 老人性色素斑(日光性黒子)

それぞれ詳しく説明していきます。

そばかす(雀卵斑)

そばかすは別名雀卵斑とも呼ばれ、幼少期から現れる遺伝性の症状です。通常、3歳ごろから出現し始め、思春期に最も目立つようになります。両頬から鼻にかけて、直径5mm程度の褐色の色素斑として現れるのが特徴です。この症状は白人に多く見られますが、日本人の場合は特に色白の方によく見られます。そばかすもメラノサイトの異常が原因で発生しますが、他のしみとは異なり、遺伝的要因が強く影響しています。

肝斑

肝斑は30歳から40歳代の方に多く見られる症状です。主に額やほっぺ、唇、下顎などに現れ、老人性色素斑と同様に境界がはっきりとした褐色の色素斑として識別されます。肝斑の特徴的な点は、左右対称に目の周囲を避けるように発生することです。この症状は、メラノサイトと呼ばれる色素細胞の異常が原因となっています。見た目は老人性色素斑と似ていますが、発生メカニズムが異なる点に注意が必要です。また、肝斑は難治性のしみとして知られており、治療に時間がかかる場合が多いです。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、さまざまな皮膚トラブルが原因で生じるしみです。ニキビや熱傷、虫刺され、アトピー性皮膚炎などの炎症性疾患が引き金となって発生します。色調は褐色から紫色まで幅広く、症状の程度によって異なります。この種のしみは、原因となる炎症が特定できれば改善の可能性が高いです。原因の特定にはパッチテストなどの検査が有効で、適切な処置により半年から1年程度で色素沈着が改善することも少なくありません。

老人性色素斑(日光性黒子)

老人性色素斑は別名、日光性黒子とも呼ばれ、主に40歳以降の方に見られる症状です。顔面や手の甲、前腕など、露出している部位に多く発生します。特徴として、境界がはっきりとした褐色の色素斑が形成されます。この症状は、長年にわたる日光への曝露が主な原因です。皮膚の表皮を構成する主要な細胞であるケラチノサイトが、紫外線による光老化を受けることで発生するしみです。

しみが発生するメカニズム

ここからは上記で紹介した

  • そばかす(雀卵斑)
  • 肝斑
  • 炎症後色素沈着
  • 老人性色素斑(日光性黒子)

の4種類のしみが発生するメカニズムを解説していきます。

そばかすの発生メカニズム

そばかすの発生メカニズムは、他のしみとは大きく異なり、遺伝的要因が主な原因となっています。特に白人に多く見られ、日本人では色白の方に発生しやすい傾向があります。そばかすは幼少期から思春期にかけて濃く表れ、年齢とともに薄くなっていくのが一般的です。しかし、紫外線に曝露されることで、一時的に濃くなることもあります。そばかすのメラノサイトは、通常のメラノサイトよりも紫外線に敏感に反応し、メラニンを生成しやすい特徴があります。

肝斑の発生メカニズム

肝斑の発生メカニズムも、老人性色素斑と同様に紫外線による光老化が大きく関与しています。しかし、その詳細なメカニズムは異なります。肝斑の場合、ケラチノサイトの増加は見られず、代わりにメラノサイトとケラチノサイト内でのメラニン生成が増加します。この過剰なメラニン生成が、肝斑特有の色素沈着を引き起こすのです。また、肝斑は女性ホルモンの影響を受けやすく、妊娠中や経口避妊薬の使用時に悪化することがあります。

炎症後色素沈着の発生メカニズム

炎症後色素沈着の発生メカニズムは、その名の通り炎症反応が鍵となります。皮膚に炎症が起こると、メラノサイトが刺激を受けてメラニンの生成が促進されます。通常、このメラニンは時間とともに皮膚表面から剥がれ落ちていく仕組みです。しかし、何らかの理由でこの過程が妨げられると、メラニンが皮膚内に留まってしまい、その結果しみとなって残ります。炎症の強さや持続期間によっては、この色素沈着が長期化することもあります。ただし、多くの場合、適切な治療と時間の経過により、徐々に改善していく傾向です。

老人性色素斑の発生メカニズム

老人性色素斑の発生メカニズムは、主に紫外線による慢性的な刺激が関係しています。紫外線に長期間曝露されることで、皮膚細胞のDNAが損傷を受け、慢性的な炎症が引き起こされます。この過程で、メラノサイトとケラチノサイトが異常に増殖し、結果として過剰なメラニンが皮膚に沈着します。さらに、通常であればメラニンを分解する役割を果たすオートファジータンパクの機能が低下することで、メラニンがより蓄積しやすくなります。また、老人性色素斑を生じやすい人は、しわやたるみを生じやすい遺伝子型とは異なる特定の遺伝子型を持っていることが分かっています。この遺伝的要因も、老人性色素斑の発生に影響しています。

しみができやすくなる要因

しみの形成には様々な要因が関与していますが、主要なものとして以下の4つがあげられます。

  • 紫外線の暴露
  • 女性ホルモンの低下
  • 活性酸素の発生
  • 遺伝子型の個人差

これらの要因を詳しく理解することで、効果的なしみ予防策を立てられるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

紫外線の暴露

紫外線の暴露は、しみ形成に関わる要因の一つです。紫外線にはUVA、UVB、UVCの3種類がありますが、それぞれ皮膚に与える影響が異なります。UVAは地表に届く紫外線の約90%を占め、雲や窓ガラスも透過する特徴があります。UVAを浴びることで皮膚の弾力が低下し、しわやたるみの原因となります。

一方、UVBはオゾン層によって大部分が遮られるため、地表に届く量は比較的少ないですが、しみやそばかすの直接的な原因となります。UVCは通常、オゾン層で完全に吸収されるため地表には到達しません。紫外線の強さは季節や天候に関わらず、特に正午前後に最も強くなります。そのため、年間を通じて適切な紫外線対策を行うことが大切です。

女性ホルモンの低下

女性ホルモンの低下も、しみ形成に大きく関与しています。特にエストロゲンは皮膚の健康維持に重要な役割を果たしています。閉経に伴うエストロゲンの減少は、皮膚に含まれるコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質の減少を引き起こします。その結果、肌の保水力や弾力性が低下し、さらに肌のターンオーバーが乱れることで、紫外線などの外的刺激によるダメージが蓄積しやすくなります。これらの変化が複合的に作用し、しみの形成を促進するのです。

活性酸素の発生

活性酸素の発生もしみ形成に関わる要因です。活性酸素は、ストレス、紫外線、喫煙など、さまざまな要因によって体内で生成されます。過剰な活性酸素は、遺伝子、細胞膜、タンパク質、糖などを酸化し、正常な機能を阻害します。特に皮膚の細胞においては、この酸化ストレスにより細胞の修復機能が低下し、結果としてしみやしわの発生につながります。また、活性酸素はメラニン生成を促進する作用もあるため、直接的にしみ形成を促進する要因ともなります。

遺伝子型の個人差

遺伝子型の個人差もしみのできやすさに大きく影響します。例えば、そばかすは特定の遺伝子変異と強い関連があることが知られており、この遺伝子を持つ人は太陽光に曝露されるとそばかすが出現しやすくなります。また、老人性色素斑を生じやすい人にも特定の遺伝子型があることが分かっています。これらの遺伝的要因は、個人のしみのなりやすさを決定する重要な要素です。

まとめ

しみは、そばかす、肝斑、炎症後色素沈着、老人性色素斑の4種類に大別されます。これらは発生メカニズムや特徴が異なりますが、主に紫外線や遺伝的要因が関与しています。老人性色素斑は長年の紫外線曝露により、肝斑はメラノサイトの異常、炎症後色素沈着は皮膚トラブルが原因です。そばかすは遺伝性が強く、幼少期から現れます。

しみの形成には、紫外線の暴露、女性ホルモンの低下、活性酸素の発生、遺伝子型の個人差が主な要因として挙げられます。紫外線はUVAとUVB、UVCの3種類に分類され、それぞれ異なる影響を与えます。女性ホルモンの低下は肌の保水力や弾力性を低下させ、活性酸素は細胞の修復機能を阻害します。遺伝子型の違いにより、個人によってしみのできやすさが異なります。これらの要因を理解し、適切な対策を取ることがしみ予防に必要です。

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この記事を書いた人

「自分の肌に合ったものを見つける」ことをコンセプトに中立公正なスキンケア情報を得られるよう、質の高いコンテンツ作りに努めています。気になる美容のトピックや知りたいことがあれば、ぜひお問い合わせください。

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