「肌表面はベタついているのに、触るとゴワつきやカサつきが気になる」「しっかり保湿しているのに、メイクが崩れやすい」と感じている方は、インナードライ肌かもしれません。
インナードライ肌とは、表面は皮脂でテカリやすいのに、肌の内側はうるおい不足で乾燥している状態のことをいいます。自分では気づきにくく、間違ったスキンケアを続けていると、乾燥や肌トラブルが悪化することがあります。
今回は、インナードライ肌の原因や脂性肌・乾燥肌との違い、改善のためのスキンケア方法を解説します。「自分の肌タイプがわからない」「何を使っても乾燥が気になる」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
インナードライ肌とはどのような肌状態?
インナードライ肌は混合肌の一種で、肌表面は皮脂でベタついているのに、内側はうるおいが足りず乾燥している状態を指します。
Tゾーンは脂っぽく感じる一方で、Uゾーンや頬はカサつきが気になるなど、部位によって肌質の違いを感じやすいのが特徴です。
見た目はうるおって見えても、肌内部の水分が不足しているため、ゴワつきやメイク崩れ、乾燥による小ジワなどのトラブルが起こりやすくなります。
本来ならしっかり水分を保つはずの肌が乾燥しているため、身体は足りないうるおいを補おうと皮脂を過剰に分泌し、肌表面はますますベタつきやすくなります。
あなたは当てはまる?インナードライ肌の見分け方
インナードライ肌は、皮脂の過剰分泌やテカリ、毛穴の開きが気になる一方で、乾燥やカサつきを自覚しにくい傾向があります。そのため、誤ったケアによって、知らず知らずのうちにインナードライ肌を悪化させてしまうことも少なくありません。
自分がインナードライ肌かどうか気になる方は、以下のセルフチェックを参考にしてみてください。
- 肌表面にテカリやベタつきがある
- Tゾーンは皮脂でテカるのに、頬や口元はカサつく
- 洗顔後すぐは肌がつっぱるが、時間が経つとベタついてくる
- 毛穴の開きや黒ずみが目立つ
- ファンデーションがヨレやすく、ベースメイクが崩れやすい
- 肌のキメが粗く、ゴワつきやすい
- 化粧水や乳液がなじみにくい
- ニキビや吹き出ものができやすいのに、乾燥も感じる
ひとつでも当てはまる項目があれば、インナードライ肌の可能性があります。
自分がインナードライ肌かどうか判断しにくい場合は、洗顔後に何もつけず、少し時間を置いてみましょう。
肌につっぱり感や乾燥を感じるようであれば、インナードライ肌のサインといえます。
インナードライ肌と「脂性肌」「乾燥肌」の違い
肌のベタつきやテカリが気になると、「自分は脂性肌かも」と思いがちですが、実は肌の内側が乾燥している“インナードライ肌”の可能性もあります。インナードライ肌は脂性肌や乾燥肌とは根本的に特徴が異なるため、間違ったケアを続けると、かえって肌トラブルが悪化することも。まずは、自分の肌タイプを正しく見極めることが大切です。
インナードライ肌と脂性肌、乾燥肌の違い
肌タイプ | 水分量 | 皮脂量 | 特徴 |
---|---|---|---|
インナードライ肌 | 少ない | 多い | ・肌表面はベタつくが、カサカサ・ゴワゴワした部分もある ・肌が硬く、しなやかさがない ・夕方になるとくすみやすい |
脂性肌 | 多い | 多い | ・顔全体がテカる・肌にしなやかさがある ・毛穴やメイク崩れが目立つが、肌内部はうるおっている ・洗顔後に少しずつ皮脂が出る |
乾燥肌 | 少ない | 少ない | ・顔全体が乾燥し、ツヤがない ・肌に触れても手に皮脂がつかない ・キメが細かく毛穴が目立ちにくいが、刺激に弱く、小ジワができやすい |
脂性肌とインナードライ肌は、どちらも皮脂が多く、テカリやベタつきが気になります。ただし、インナードライ肌は「部分的なカサつきやゴワつき」があるのが特徴です。一方、乾燥肌は水分も油分も不足しているため、顔全体がカサつきやすく、ハリやツヤが失われやすい状態です。
乾燥肌は触ってもほとんど皮脂を感じませんが、インナードライ肌は表面のベタつきと内側の乾燥が同時に起こるのが大きな違いです。
インナードライ肌になる4つの原因
ここでは、インナードライ肌を引き起こす主な原因を4つ解説します。
誤ったスキンケアによる乾燥
自分の肌状態に合わないスキンケアは、インナードライ肌を招く大きな原因のひとつです。たとえば、肌の表面がテカるからといって脂性肌だと決めつけ、化粧水だけで乳液やクリームを省略すると、せっかく補給した水分が蒸発してしまい、肌の乾燥が進行します。乾燥した肌は、水分不足を補おうと皮脂を過剰に分泌するため、かえってテカリやベタつきが気になりやすくなります。
また、テカリを気にして何度も洗顔したり、あぶらとり紙を頻繁に使ったりすると、必要な皮脂まで奪ってしまい、肌のうるおいバランスを崩す原因に。日々のスキンケアで水分と油分の両方を補給することが大切です。
インナードライ肌におすすめのスキンケアについては、次の章で詳しく解説しています。
紫外線や空調によるダメージ
紫外線を浴びることで肌表面のバリア機能が低下し、内部のうるおいも逃げやすくなります。さらに、ターンオーバーが乱れて肌の水分保持力が弱まることも、インナードライ肌の原因の一つです。
また、エアコンや乾燥した空気にも注意が必要です。冷暖房の効いた環境で長く過ごすと、水分が失われて肌の乾燥が進みます。秋冬だけでなく、夏場もエアコンの風や汗の蒸発によって肌は乾きやすくなります。

生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れもインナードライ肌の原因になります。
バランスの悪い食事や無理なダイエットで栄養が不足すると、肌のうるおいを保つ力が弱まり、乾燥や皮脂の過剰分泌を起こしやすくなります。また、脂っこい食事や甘いものの摂り過ぎは、皮脂分泌を増やし、テカリを悪化させることも。
さらに、睡眠不足は、肌のターンオーバーや修復に必要な成長ホルモンの分泌を妨げ、乾燥やバリア機能の低下を招きます。
ストレス
強いストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、皮脂の過剰分泌や肌のバリア機能の低下を招きます。その結果、肌表面はテカリやベタつきが目立つのに、内側は乾燥しているインナードライ肌に傾きやすくなるのです。
また、ストレスによる睡眠不足や血行不良が続くと、肌の新陳代謝が乱れ、乾燥や吹き出物が出やすくなることもあります。スキンケアだけでなく、心身のリラックスやストレス発散を心がけることも、インナードライ肌の予防や改善につながります。
インナードライ肌におすすめのスキンケア方法
インナードライ肌をケアするためには、肌の内側の乾燥にしっかりアプローチすることが大切です。
ここでは、インナードライ肌に適したスキンケア方法を紹介します。
クレンジングや洗顔は適切な頻度でやさしく行う
インナードライ肌を整えるには、クレンジングや洗顔をやさしく行うことがとても大切です。ゴシゴシこすったり強い摩擦を与えたりすると、肌への負担が大きくなり、乾燥や刺激の原因になります。洗顔料はたっぷり泡立て、泡をクッションにしてなでるように洗いましょう。泡で出るタイプの洗顔や、泡立てネットを使うと便利です。
また、洗顔やクレンジングに時間をかけすぎると、必要なうるおいや皮脂まで落としてしまい、インナードライ肌を悪化させることがあります。洗顔は朝晩の1日2回を目安に、20~30秒程度で済ませましょう。
保湿力の高い化粧水を使う
インナードライ肌のケアには、丁寧な保湿も欠かせません。まずは化粧水をたっぷりと肌になじませ、しっかりとうるおいを与えましょう。ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなど、水分保持力に優れた成分が配合された化粧水を選ぶのがおすすめです。
肌に触れたとき、ふっくらとした弾力や、みずみずしいひんやり感があれば、しっかり保湿できている証拠です。

化粧水のあとは乳液やクリームで必ずフタをする
化粧水でしっかり水分を与えた後は、乳液やクリームで油分をプラスしましょう。乳液やクリームには、補給した水分の蒸発を防ぐフタの役割があります。インナードライ肌は内側が乾燥しやすいので、油分も取り入れることが大切です。
Tゾーンなどベタつきやすい部分は、軽めのテクスチャーの乳液やクリームを使ったり、量を調整したりするのもおすすめです。また、皮脂が気になるTゾーンは乳液のみ、乾燥しやすい目元や頬はクリームを重ねるなど、部位ごとに使い分けるのも効果的です。
季節や肌状態に合わせて、心地よく使えるアイテムや量を選びながら、水分と油分のバランスを意識したケアを続けてみてください。
紫外線対策を徹底する
インナードライ肌に限らず、どんな肌タイプの方も紫外線対策は必須です。日焼け止めを塗るのはもちろん、帽子や日傘、長袖などを活用した物理的な日焼け対策も行いましょう。紫外線は晴れの日だけでなく、曇りや雨の日も地上に降り注いでいるため、天候に関わらず毎日紫外線対策をすることが大切です。
また、紫外線ダメージは肌の乾燥を引き起こしやすいため、日焼け止めは保湿成分配合のものや、乾燥しにくいミルク・クリームタイプなど、自分の肌に合ったものを選びましょう。
まとめ
インナードライ肌は、誤ったスキンケアや紫外線、空調による乾燥、生活習慣の乱れやストレスなど、さまざまな要因が重なって起こります。
健やかな素肌を目指すためには、まず自分の肌状態に合ったやさしい洗顔・クレンジングを心がけ、保湿力の高い化粧水や乳液、クリームでしっかりとうるおいを閉じ込めることが大切です。さらに、毎日の紫外線対策や生活習慣の見直しも忘れずに。
日々の丁寧なお手入れを積み重ね、内側からうるおいに満ちた健やかな肌を育てましょう。