タンパク質は、肌細胞や髪、筋肉や内臓を作る重要な栄養素です。
外からのお手入れであるスキンケアとは異なり、内側から肌を支え美肌を保つ働きがあります。
タンパク質を摂ると肌がどのように変わるのか、また、美肌におすすめの正しい摂取方法と注意点も合わせて解説します。
タンパク質とは
タンパク質は3大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の一つで、生きていくうえで必要不可欠な栄養素です。
タンパク質は20種類ものアミノ酸で構成されており、そのうち11種類は体内で合成されますが、9種類は食事から摂取しなければなりません。
体内で合成されないアミノ酸を「必須アミノ酸」、体内で合成されるアミノ酸を「非必須アミノ酸」といいます。
- 必須アミノ酸
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パリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン
- 非必須アミノ酸
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アルギニン※、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸
- アルギニンは小児では必須アミノ酸に含まれる
* 参考資料:オーソモレキュラー栄養医学研究所
タンパク質を摂ると肌はどう変わる?
肌細胞や髪を作るのに欠かせない栄養素であるタンパク質。タンパク質を摂ると肌はどう変わるのか知っておくと、意識的に摂取する意欲が沸くかもしれません。
シミやくすみができにくい肌に
基底層から生まれた肌細胞が角質となって剥がれ落ちるまでのサイクルをターンオーバーといいます。
タンパク質は新しい肌細胞を作り、ターンオーバーを促す働きがありますが、新しい肌細胞が作られなければ、スムーズなターンオーバーが得られません。
ハリや弾力を与える
肌の弾力を支えるコラーゲンとエラスチンは、タンパク質の一種です。コラーゲンは、体を構成しているタンパク質の約30%を占めているといわれています。
コラーゲンやエラスチンは、肌の土台となる真皮層にあり、ハリや弾力を与える役割があります。
* 参考資料:大正製薬
みずみずしいうるおいを与える
コラーゲンは、水分を蓄える働きがあるため、肌内部にみずみずしいうるおいを与えます。
コラーゲンそのものを摂取するよりも、良質なタンパク質を摂取するのがおすすめです。
タンパク質が不足するとどうなる?
逆にタンパク質が不足すると肌はどのように変化するのでしょうか?
ハリ不足やたるみが生じやすくなる
タンパク質によって生成されるコラーゲンやエラスチンが減少すると、ハリ不足やたるみが生じやすくなります。肌がたるむことで、シワの原因にもつながり老けた印象を与えます。
筋力が低下しやすくなる
筋肉はタンパク質でできています。タンパク質が不足すると、肌を支えている筋肉が減少し、皮膚が下垂しやすくなります。
抜け毛薄毛の原因になる
髪の主成分であるケラチンもタンパク質でできています。タンパク質が不足すると、髪のパサつき、薄毛、枝毛や切れ毛の原因になります。また、爪がわれやすくなったり二枚爪になったりすることもあります。
タンパク質の種類
私たちが食品の中から摂取しているタンパク質には「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」の2種類があります。
動物性タンパク質の多くは、必須アミノ酸である9種類が含まれていますが、一部の植物性タンパク質には不足している食品もあります。
- 動物性タンパク質
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- 肉類
- 魚介類
- 卵
- 乳性製品
- 植物性タンパク質
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- 米
- 小麦
- 大豆
- 一部の野菜や果物
効率のよいタンパク質の摂り方
タンパク質は1回に吸収できる量が約20gです。
今日は朝と昼にタンパク質が不足しているからと、夜にドカンと摂取しても吸収できません。
自分が摂るべきタンパク質量は、手のひら1枚分といわれており、肉や魚なら約100g前後が目安で16~20gのタンパク質量を摂取できます。
これらを朝、昼、晩の3回に分けて20gずつ摂取するのが理想です。
主な食品のタンパク質量
| 食品名 | タンパク質量 |
|---|---|
| 肉・魚 100g | 16~20g |
| 豆腐100g 1/3丁 | 6~7g |
| 納豆50g 1パック | 約8g |
| 牛乳・豆乳200mL コップ1杯 | 6~7g |
| 卵1個 | 約7g |
| 油揚げ30g 1枚 | 約7g |
| ヨーグルト100g | 約4g |
| プロセスチーズ1個 | 約4g |
| 食パン6枚切り | 約5.3g |
| ごはん150g 茶碗1膳 | 約3.8g |
| うどん200g ゆで | 約5.2g |
| パスタ250g ゆで | 約14.5g |
タンパク質50g摂れるOK献立例
- 朝:ごはん、わかめの味噌汁、豆腐、納豆
- 昼:魚介のパスタ、サラダ
- 夜:ごはん、鮭と野菜のホイル焼き、油揚げの味噌汁
タンパク質が50g摂れないNG献立例
- 朝:食べない
- 昼:うどん+おにぎり
- 夜:ミートソースパスタ、ポークソテー
* 参考資料:未来献立
1日に必要なタンパク質量とは
1日に必要なタンパク質推奨量は、年齢や性別により若干異なります。
18〜49歳は、摂取エネルギーの13〜20%、50〜64歳は、摂取エネルギーの14〜20%、65歳以上は、摂取エネルギーの15〜20%が理想とされています。
1日のタンパク質推奨量(g/日)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | 65 | 50 |
| 30~49歳 | 65 | 50 |
| 50~64歳 | 65 | 50 |
| 75歳以上 | 60 | 50 |
| 妊娠初期 | ー | 50 |
| 妊娠中期 | ー | 55 |
| 妊娠後期 | ー | 75 |
| 授乳期 | ー | 70 |
* 参考資料:健康長寿ネット
タンパク質摂取時の注意点
タンパク質は多く摂れば摂るほど、肌がきれいになるものではありません。適量を吸収できるタイミングで摂取する必要があります。
ここでは、タンパク質摂取時の注意点をお伝えしますので、心当たりのある方は気をつけてみましょう。
ニキビや脂性肌はホエイプロテインを避ける
現代は健康志向が高まり、ピラティスやジムに通う方、自宅で筋トレなどに励む方が増えています。
筋力をつけるために効率的なのがプロテインドリンクです。しかし、乳タンパクの一種であるホエイプロテインは、皮脂分泌を増加させ、ニキビを悪化させる可能性があると報告されています。また、スキムミルクも同様にニキビの悪化原因と考えられているため避けください。
タンパク質を摂取しながら糖質はやや控えめにする
最近よく見聞きする「糖化」とは、糖質を過剰に摂取することにより、体内でタンパク質と結びつき老化を促進するAGEsが生成されることをいいます。
酸化は、体内のサビといわれるのに対し、糖化は体内のコゲといわれています。
AGEsは、一度生成されると体内に蓄積されてしまい、排出することができません。糖化が蓄積すると「肌の黄ぐすみ」「たるみが生じる」「ハリや弾力がない」などの症状があらわれます。
タンパク質を過剰摂取しても糖化には結びつきにくいですが、糖質を過剰摂取するとタンパク質と結びついて糖化しやすくなるため、糖質はやや控えめを習慣化させましょう。
一度にたくさん摂取しない
タンパク質は1回に吸収できる量が約20gなので、一度にたくさん摂取せずに小分けして取り入れてください。
プロテインドリンクの種類
現代女性はとても忙しいもの。タンパク質を摂らなければとわかっていても十分に摂れない日もあるものです。
そんなときはプロテインドリンクを取り入れると、飲むだけなので手軽に摂取できます。
プロテインには主に下記の3種類があります。
- ソイプロテイン
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ソイプロテインは、大豆由来の植物性プロテインです。大豆から脂質を取り除き、低脂質、低カロリーで腹持ちがよいことからダイエット中の方向けにぴったりです。
ソイプロテインには、女性ホルモンエストロゲンに似た働きを持つイソフラボンが含まれており、女性ホルモンが減少してくる40代以降の女性にもおすすめです。
- ホエイプロテイン
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ホエイプロテインは、牛乳由来のタンパク質です。ヨーグルトの上澄みにできる液体がホエイプロテインで、体内への吸収が早いのが特長です。
運動後の筋肉の疲労を助け、疲労回復にも役立ちます。水や牛乳に溶けやすくさまざまな種類が販売されています。
効率よくプロテインを摂取したい方や、運動をおこなう方におすすめのプロテインです。
- カゼインプロテイン
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カゼインプロテインは、牛乳由来のタンパク質ですが、乳タンパクの中に含まれるカゼインを使用したプロテインです。
ホエイプロテインはヨーグルトの上澄みから得られるのに対し、カゼインプロテインは固形部分から得られるプロテインになります。
時間をかけて吸収されるため、就寝前のプロテイン補給や空腹感を抑えたい方におすすめのプロテインです。
美肌に欠かせないタンパク質は摂取するタイミングが大切
タンパク質は美肌だけでなく、美髪にも役立つ必須栄養素です。
タンパク質は摂取するタイミングがとても大切で、ある程度時間を置いてから食べる必要があります。
「肌を変えたい」「美肌になりたい」という方は、インナーケアとしてタンパク質に着目してみてください。
食事では足りない、という日にはプロテインドリンクやプロテインヨーグルトなどを取り入れて、1日50gを目標にしましょう。

