尿素とはどのような成分?
尿素は体内にあり、肌の天然保湿因子を構成する成分で、タンパク質が分解されるときに生じて尿として排出されます。
尿素は18世紀に発見され、1950年頃から尿素の生産量が増大し化粧品に配合されるようになりました。
尿素はアンモニアと二酸化炭素を原料として、高温高圧の環境で合成されている成分です。
参考資料:BSI生物科学研究所 尿素
尿素のスキンケア効果
尿素配合のスキンケアは、保湿効果や角質柔軟効果があり、化粧水やクリームなどのスキンケアに配合されています。
また、医薬部外品の有効成分として、肌荒れを予防する効果が認められている成分です。
水分を保持する保湿効果
尿素は分子が小さいことから角質層に浸透しやすく、水分を集め保持する効果があります。角質層のうるおいを保つ天然保湿因子(NMF)の材料になることから、保湿効果や肌をなめらかに整える効果があります。
角質柔軟効果
尿素は、肌の角質をやわらげる角質柔軟効果があります。
表皮の一番上にある角質細胞は、核を持たない細胞でターンオーバーにより順番に剥がれ落ちていく細胞です。
角質をやわらげ古い角質を剥がれやすくし、ターンオーバーのサイクルを整えることにも期待できます。
肌荒れ予防効果
尿素は医薬部外品の有効成分として、肌荒れを予防する効果が認められています。
主に手足やひじ、かかとなどのケアに用いられることが多いです。

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尿素使用時の注意点と副作用
尿素は角質を分解する効果があるため、使い方によっては肌を傷めてしまう可能性があります。
ここでは、尿素使用時の注意点や副作用についてお伝えします。
塗りすぎると刺激になる場合がある
尿素は指定された量よりも多く塗りすぎたり、使用頻度が多いと刺激になる場合があります。
使用中には、下記のような副作用が起こることがあります。
- ピリピリ感
- 赤み
- 痛み
- 発疹
処方薬の場合は医師に相談し、市販薬の場合は薬剤師に相談または使用を控えるなどしましょう。
敏感肌やデリケートな肌は控える方がよい
尿素は保湿効果がありますが、角質を分解する効果もあるため、敏感肌やデリケートな肌は控えるほうがよい場合があります。
濃度が低い化粧品でも、肌につけてほてりや赤み、ヒリヒリ感があれば使用を控えておきましょう。
尿素の配合量で使用年齢が異なる
尿素には主に10%配合、20%配合のものがあり、配合量で使用できる年齢が異なります。
- 尿素10%:3歳以上から使用可
- 尿素20%:15歳以上から使用可
化粧品の場合は、10%以下の濃度なので年齢制限はありませんが、乳児への使用は避けましょう。
参考資料:万協製薬株式会社
医薬品は妊娠中や授乳中に使えないものもある
医薬品の尿素配合製品は、妊娠中や授乳中に使えないものがあります。
尿素20%配合クリームは、ドラッグストアでも手軽に入手できますが、使用しても大丈夫なものかどうかを薬剤師に確認しましょう。
ネット販売などでわからない場合は、購入を控えましょう。
尿素配合スキンケアの選び方
尿素は日常的なスキンケアに使うもの、ひび割れや肌荒れに使うものによって選び方が異なります。
目的に合わせた使い方ができる選び方をお伝えします。
顔に使うものは尿素を補助的に配合しているものを選ぶ
尿素が配合されたスキンケアを顔に使う場合は、高濃度ではなく補助的に配合しているものを選びましょう。
一般的な化粧品の配合は、0.03〜0.8%の商品が多いため、日常的に使うことができます。ハンドケアやボディケア商品の場合は、0.3〜8%と幅が広いことから、刺激を感じる場合はかかとやひじなどの部分使用にとどめておくことをおすすめします。
参考資料:化粧品成分オンライン
尿素の配合量を見て選ぶ
化粧品の場合は、あまり問題ありませんが、医薬品になると尿素の濃度が10〜20%と高濃度になります。
手荒れ対策に使う場合は10%、ガチガチの角質に使うなら20%が目安です。
尿素の濃度が20%になると肌を溶かす効果が強くなるため、角質をやわらげたい場所のみに使うようにしましょう。
尿素は美肌ケアや手荒れ、かかとケアに効果的な成分
尿素はハンドクリームでの配合が有名ですが、スキンケアや肌荒れにも幅広く使用できる成分です。
基本的に顔のスキンケアは濃度の低い化粧品、角質が硬くなったボディケアには医薬品などとうまく使い分けましょう。
