お肌の性質は年齢によって変化していき、それに伴って肌悩みも変わっていきます。
20代のころはニキビや脂性肌が気になっていても、30代、40代になると乾燥肌が目立ってくることは多いですよね。
美しい肌をキープするためには、年齢や肌質に合わせてスキンケアも変えていくことが重要です。
この記事では年代別に多い肌悩みとそのスキンケアついて、おすすめの成分も一緒にご紹介します。
年代別の肌悩み
年齢を重ねるごとに、お肌の悩みも少しずつ変化していきます。
美肌ナビでは20代~50代の女性に肌の悩みについてのアンケート調査を実施しました。
GMOリサーチを用いたWebアンケート調査(調査期間:2025年2月6日~2025年2月19日、サンプル:SCR27410、本調査1000人、対象者:全国10代~50代の女性)

20代では「ニキビ」、30代では「毛穴」、40代では「シミ」、50代では「たるみ」がそれぞれ最多となっており、どの年代でも複数の肌悩みを同時に持っている方が多く、年齢とともに悩みの種類も変化していくことがわかります。
各年代の特徴的な肌悩みについて、さらに詳しくみていきましょう。
20代に多い肌悩み、ニキビ
20代で最も多い肌悩みはニキビです。
思春期〜20代のお肌は皮脂腺の働きが活発になることで、油分の多い肌(脂性肌)になりやすい傾向があります。
脂性肌では、油分が過剰に分泌されることで古い角質や老廃物が毛穴に詰まりやすくなります。
毛穴が詰まってしまうと、毛穴の内部でアクネ菌が増えやすくなりニキビが発生します。

30代に多い肌悩み、毛穴
30代は肌の水分量や油脂量が減少し、乾燥肌になる方が増えてきます。
また鼻やTゾーンは油っぽいのに頬は乾燥している、というような混合肌(インナードライ)の方も多くいるでしょう。
肌は乾燥すると油脂を過剰に分泌し、それが毛穴詰まりの原因になります。
またインナードライでも水分と油分のバランスが崩れることで、開き毛穴や詰まり毛穴の原因になることがあります。
- 詰まり毛穴
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皮脂や老廃物が混ざり合って白い塊(角栓)ができた毛穴
- 黒ずみ毛穴
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角栓が空気や紫外線により酸化し、黒く見える毛穴
- 開き毛穴
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過剰な皮脂の分泌により開いた状態の毛穴

40代に多い肌悩み、シミ
40代になって急にシミが目立つようになったと感じる方は多いのではないでしょうか。
40代では加齢やホルモンバランスの乱れにより、肌のターンオーバーが遅くなります。
また長年浴びてきた紫外線によってできたメラニンがうまく排出されず、蓄積することでシミが目立ちやすくなります。
シミの大きな要因は紫外線です。
紫外線に対するケアをしっかりすることにより、シミができにくい肌にすることが重要です。

50代に多い肌悩み、たるみ
50代の肌は、表情筋の衰えや肌の弾力の低下により、たるみが目立つようになります。
また、加齢により保湿成分のコラーゲンやエラスチンの産生が少なくなると、肌の中に水分を十分に保てなくなり、たるみが目立つようになってしまいます。
年齢ごとに異なる肌悩みを見てきましたが、それぞれの悩みに応じた適切なケアを行うことで、肌のコンディションを整えることができます。
ここからは、各年代の代表的な肌悩みに対して、どのようなスキンケアが効果的かを具体的にご紹介します。

【20代】ニキビにおすすめのスキンケア

ニキビにおすすめのスキンケアをご紹介します。
基本は洗顔
ニキビをケアする上で重要なのは、まず洗顔です。
ニキビは余分な皮脂や老廃物が毛穴に詰まってできることが多いため、洗顔で肌を清潔に保ちましょう。
洗顔の回数は多すぎても肌に刺激を与えてしまうため、朝と夜の1日2回がおすすめです。
洗顔の手順
- ぬるま湯で予洗いする
- 洗顔料を泡立て、優しく洗う
- 刺激しないよう、水分をタオルでやさしく拭き取る
- なるべく早く保湿する
ニキビができている肌は敏感になっています。
洗顔の際、ゴシゴシと強く擦ることはせず、泡を立てて優しく洗うようにしましょう。
また乾燥が原因でニキビができてしまうこともあるため、洗顔後は保湿を念入りに行うことも大切です。
洗顔料を選ぶ際は保湿成分を含み、刺激が少ないものを選ぶといいでしょう。
刺激を与えない
ニキビに刺激を与えると悪化してしまう原因になります。
手には雑菌が多くついているため、ニキビができて気になっても手で触らない、潰さないようにしましょう。
髪の毛もニキビに当たると悪化することがあるので、当たらないように髪型を変えるなどおすすめします。
ノンコメドジェニック化粧品を使う
ノンコメドジェニック化粧品とは、ニキビの元となるコメドができにくいように開発された化粧品のことです。
コメドとは、毛穴に皮脂や老廃物が詰まったニキビの初期段階の状態です。
「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示のある化粧品は、人の肌でコメドができにくいことが確認されています。
ニキビを予防したいときは、「ノンコメドジェニックテスト済み」表示があるものに加え、厚生労働省が認めた成分が配合されている医薬部外品(薬用)の化粧品を選ぶと良いでしょう。
ニキビにおすすめの成分
- グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン
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抗炎症効果があり、ニキビの炎症、赤みを抑える
- サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、レゾルシン
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殺菌作用があり、ニキビの原因のアクネ菌の増殖を抑える
- サリチル酸、レゾルシン、イオウ
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角層を柔らかくする
そのほか、余分な皮脂の分泌を抑えるビタミンC誘導体が入った化粧品もおすすめです。
【30代】毛穴におすすめのスキンケア

毛穴の種類別に、おすすめのスキンケアをご紹介します。
詰まり毛穴、黒ずみ毛穴に対するケア
詰まり毛穴では、皮脂や老廃物が毛穴に詰まっている状態のため、日々の洗顔を丁寧に行い、毛穴の汚れを落とすことが重要です。
酵素洗顔やスクラブ剤を使うことでより毛穴汚れが取れやすくなります。
またクレイ(泥)系のパックや洗顔料は古い角質や老廃物を吸着してくれるため、毛穴の詰まりに効果が期待されます。
開き毛穴に対するケア
開き毛穴は過剰な皮脂によって毛穴が開いている状態のため、余分な皮脂を取り除くことが必要です。
日中はティッシュやあぶらとり紙などで余分な皮脂を取り、肌を清潔に保ちましょう。
また油分が少なめで保湿効果の高い化粧品を使うこともおすすめです。
毛穴におすすめの成分
- 詰まり毛穴にはプロテアーゼ、リパーゼなどの酵素が入った洗顔料がおすすめです。
- 開き毛穴には、余分な油脂を抑えるビタミンC誘導体を配合した化粧品が効果的でしょう。
- 毛穴のたるみが目立つ場合は、ターンオーバーを促進させるレチノールや、抗酸化作用のあるビタミンC誘導体、コエンザイムQ10などがおすすめです。[1]
【40代】シミにおすすめのスキンケア

シミに対しておすすめのスキンケアをご紹介します。
UVケア
紫外線はシミ以外にも、シワやたるみ、乾燥など肌に様々な悪影響を及ぼします。
日焼け止めを使用したり、UVカット成分が配合されている化粧品を使用したりすることで、日頃からUVケアをしっかりと行いましょう。
食生活を見直す
シミに効果的な食べ物として、抗酸化力の高い食べ物が挙げられます。3
抗酸化力の高い食べ物は、紫外線により肌で発生した活性酸素を除去し、肌の老化を予防します。
抗酸化力の高い食べ物として、以下のものが挙げられます。
- ビタミンCが豊富なもの(キウイ、イチゴ、ブロッコリー、ピーマン、パプリカなど)
- βカロテンやビタミンAが豊富なもの(かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、小松菜、レバーなど)
ビタミンCやβカロテンは緑黄色野菜、フルーツに含まれることが多いため、普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
シミにおすすめの成分
シミができにくい肌にするには、美白化粧品を使うことがおすすめです。
美白化粧品とは、厚生労働省により有効性、安全性が認められた美白成分が入っているものを指します。4
美白成分には以下のものがあります。
美白化粧品を探す際は、成分表をみてこれらの成分が入っているか確認しましょう。
- 美白:メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ
- ビタミンC誘導体
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メラニンが作られるのを抑制する
- アルブチン、コウジ酸
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メラニンを作る酵素の働きを阻害する
- m-トラネキサム酸、カミツレエキス
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メラニンを作るメラノサイトの働きを阻害する
- アデノシン一リン酸二ナトリウム
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ターンオーバーを促し、メラニンの排出を促進させる
【50代】たるみにおすすめのスキンケア

たるみにおすすめのスキンケアをご紹介します。
表情筋のトレーニング
顔の肌のすぐ下には、表情筋と呼ばれる筋肉がついています。
表情筋が衰えると肌を上手く支えられなくなり、たるみの原因となってしまいます。
そのため日頃から表情筋をよく使う意識をしましょう。
例として以下のようなトレーニングを繰り返しセットで行うのが効果的です。
- 大きく口を開けながらゆっくり「あいうえおと」言う
- 割り箸を口に挟んで笑顔をキープする

保湿ケア
たるみは加齢によって水分が不足し、乾燥が進むことによっても起こります。
保湿は肌のハリや弾力を維持するためにも重要であるため、保湿効果の高い化粧品を使用しましょう。
たるみにおすすめの成分
保湿成分のヒアルロン酸、セラミド、グリセリン、コラーゲンなどが配合されたスキンケア商品を選ぶといいでしょう。[1]
また皮膚のターンオーバーを整えコラーゲンを増やす働きのあるレチノールもおすすめです。
肌にハリと弾力を与えるヒト幹細胞培養液を含んだ化粧品も、近年注目されています。
まとめ
本記事では、年代別の肌悩みと、おすすめのスキンケアについて解説しました。
今回ご紹介したスキンケアでは改善できない肌悩みもあるかと思います。
その場合は美容皮膚科などの医療機関を受診し、適切な治療やアドバイスを受けましょう。
肌悩みを抱える方にとって今回の記事が少しでも参考になればと思います。
ご自身にぴったりのスキンケアや化粧品が見つかるといいですね。
参考文献
- 日本化粧品検定2級・3級対策テキスト コスメの教科書第2版p77、p79、p80、p85、p92 ↩︎
- 日本皮膚科学会>尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023 ↩︎
- 日本化粧品検定1級対策テキスト コスメの教科書第2版 p142 ↩︎
- 田中 浩>美白製品とその作用>日本香粧品学会誌 Vol. 43, No. 1, p. 39–43 (2019) ↩︎