肌老化の約80%が光老化といわれており、美肌を守るためには紫外線対策が欠かせません。
しかし、「日焼け止めと化粧下地はどっちが先?」「日焼け止めの正しい塗り方は?」といった疑問がある方も多いでしょう。
今回は、日焼け止め・化粧下地を塗る順番や、ベースメイクをきれいに仕上げるコツを解説します。
日焼け止めと化粧下地を使う順番


日焼け止めと化粧下地の両方を使う場合の順番や使用方法について解説します。
日焼け止めは化粧下地の前に使用!
日焼け止めの効果を最大限に引き出すための順番は「スキンケア→日焼け止め→化粧下地→ファンデーション」が基本です。
ファンデーションは、化粧下地の上に重ねることを前提に開発されています。
そのため「化粧下地→日焼け止め→ファンデーション」の順に塗るとファンデーションのノリが悪くなったり、メイクがヨレやすくなったりすることがあるため、日焼け止めは化粧下地の前に使用しましょう。
なお、化粧下地効果も兼ね備えた日焼け止めを使う場合は、化粧下地を塗らずにそのままファンデーションを重ねても問題ありません。
UVカット効果のある化粧下地を使うなら日焼け止めを塗らなくてもいい?


化粧下地のなかにはUVカット効果を兼ね備えたタイプもありますが、化粧下地だけでは十分な紫外線防止効果が得られない可能性があります。
表示されているSPF・PA(サンケア指数)の効果を発揮するためには、顔全体に約0.8g使用する必要があります。
化粧下地だけでこの量を塗ると厚塗り感が出やすく、不自然な印象になってしまいます。
特に、色付きの化粧下地や、毛穴を埋める特殊なシリコーンなどが使われている化粧下地を規定量使うのは現実的ではありません。
日焼け止めとUV化粧下地を両方使えばUVカット効果が上がる?
日焼け止めとUVカット効果のある化粧下地を重ねると、紫外線防止効果は若干高まります。
ただし「SPF50の日焼け止めとSPF30の化粧下地を使えばSPF80になる」というわけではありません。
日焼け止めと化粧下地を両方使うと成分が混ざるため、実際の紫外線防止効果はほとんど変わらないのです。
とはいえ、日焼け止めとUVカット効果のある化粧下地を両方使うことで塗り漏れ対策になり、より強力な紫外線対策が可能です。
日焼け止めの効果を最大限に引き出す方法
日焼け止めは紫外線対策に不可欠のアイテムですが、使い方を間違えると十分な効果を発揮できません。
そこでここでは、日焼け止めの効果を最大限に引き出すための正しい塗り方を紹介します。
正しい量をムラなく塗り広げる


顔や身体に日焼け止めを塗るときは、下記の手順で行いましょう。
顔・首への塗り方
クリームタイプならパール1粒分、液状や乳液タイプなら1円玉1枚分を手にとる。
両頬・額・鼻・あごの5箇所に点置きする。
頬や額などの広いパーツから、顔の中央から外側に向かって伸ばす。
目の周りや口周りなどは指先やスポンジを使用すると、塗り残しやムラが発生しにくい。
頬や鼻筋は特に焼けやすいため、入念に重ね塗りする。
首は10円硬貨大を手にとり、数か所に分けてのせ、軽く広げてなじませてから下から上に向かって伸ばす。
身体への塗り方
日焼け止めの容器から、腕や脚に直接日焼け止めを線状に出す。
手のひら全体を使い、大きく円を描くように塗り広げ、ムラなくなじませる。
外出の15~30分前に日焼け止めを塗る


日焼け止めは、肌に塗った直後から効果を発揮するのではなく、肌になじむまでに時間がかかります。
そのため、外出の15~30分前までに日焼け止めを塗り終えるようにしましょう。
日焼け止めを肌にしっかりなじませることで、紫外線防止効果を最大限に引き出せます。
2~3時間おきに塗り直す
日焼け止めは汗や皮脂、摩擦によって落ちてしまいます。
そのため、紫外線防止効果を持続させるためには、2~3時間ごとに塗り直しが必要です。
なお、汗をかいたりタオルで拭いたりした場合は、2~3時間経っていなくても塗り直しましょう。
メイクの上から日焼け止めを塗り直す方法
ティッシュやあぶらとり紙などで顔をポンポンと押さえ、皮脂や汗をやさしくオフする。
日焼け止めを手に取り、両手でしっかり広げてから、頬・額・小鼻の脇・こめかみを手のひらで包み込むようにハンドプレスしてなじませる。
顔の上で手のひらを滑らせるのではなく、軽く押さえるようにして日焼け止めをなじませるのがコツです。
仕上げに、パウダーファンデーションなどで気になる部分をカバーする。
使用期限を守る
一般的な化粧品と同様に、日焼け止めにも使用期限があります。
未開封であれば購入後3年程度品質を維持できますが、開封済みの場合は1年程度で使い切ることが推奨されています。
なお、紫外線吸収剤不使用のノンケミカルタイプの日焼け止めは一般的な日焼け止めに比べて使用期限が短いため、注意が必要です。
未開封でも1~2年程度、開封後は6か月以内を目安に使い切るのが理想です。
日焼け止めと化粧下地に関してよくある質問



最後に、日焼け止めと化粧下地に関してよくある質問をまとめました。
- 寒い季節や曇りの日は日焼け止めを塗らなくてもいい?
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紫外線は春や夏だけでなく、冬も地上に降り注いでいます。
光老化を防止するためには、季節にかかわらず、毎日日焼け止めを塗ることをおすすめします。また、紫外線は雲を通り抜けるため、空のほとんどを雲が覆っていても、薄曇りであれば快晴時の約8~9割、曇りなら快晴時の約6割の紫外線が地上に届いています。
そのため、曇りの日も油断せず、外出時は日焼け止めを使用しましょう。あわせて読みたい紫外線が肌に与える影響を徹底解説!メカニズムを理解した上で、自分に適した紫外線対策を選ぼう! 紫外線は目に見えないながらも、肌にダメージを蓄積します。晴れた日に日差しを浴びると元気が出たり明るい気持ちになる反面、シミやシワといったエイジングサインの原... - 日焼け止めや化粧下地を塗ると白いモロモロが出てくるのはなぜ?
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スキンケア後に日焼け止めや化粧下地を塗ると、モロモロとカスのようなものが出てくることがあります。
これは、スキンケアに含まれる成分が日焼け止めや下地と混ざって反応し、肌とこすれ合うことで白いカスとして表面に出てきたものです。
シリコン系の成分やヒアルロン酸、コラーゲンなどは白いモロモロが出てきやすいといわれています。洗顔後に化粧水や美容液、乳液などのスキンケアを済ませたら、5分ほど肌になじませてから日焼け止めを塗りましょう。
このとき、手でこするように塗りこむと白いモロモロが出てきやすいため、なるべく摩擦を起こさないよう、手のひらや指でやさしく押し込むようになじませるのがコツです。 - 日焼け止めを塗ると目に染みて痛い…。対策法はある?
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目に染みる日焼け止めの成分をはっきり特定するのは難しいですが、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤、アルコール、界面活性剤などが関係していると考えられています。
ジェルタイプを代表とするウォーターベースの日焼け止めは汗で流れて目に入りやすいため、目に染みて痛い場合はオイルベース(シャカシャカ振る2層タイプ)の日焼け止めを試すのもひとつの方法です。
なお、アイシャドウやアイライナーなどのアイメイクをする場合、コスメに使用されている着色剤によってある程度の紫外線防止効果が期待できます。
この場合、目の際を避けて日焼け止めを塗ることで、目に染みにくくなります。
顔の汗を拭くときにタオルでゴシゴシこすると日焼け止めが目に入りやすいため、軽くおさえるように拭きとりましょう。
まとめ
日焼け止めの後に化粧下地を重ねることで日焼け止めの効果を最大限に発揮でき、ファンデーションもなじみやすくなります。
日焼け止めを塗る際は塗りムラや塗り忘れに注意し、頬や鼻筋など日光が当たりやすい場所は念入りに重ね付けするのがポイントです。
また、スプレータイプやパウダータイプの日焼け止めも活用し、2~3時間おきのこまめな塗り直しも忘れないようにしましょう。
本格的な夏が来る前に正しい日焼け止めの塗り方をマスターし、思いっきりおでかけを楽しんでくださいね。