「ヒルドイドはやめた方がいい」と聞いたことはありませんか?ヒルドイドは、保湿や血行促進の効果があり、医療用として多くの人に使用されている外用薬です。しかし、一部では「副作用があるのでは?」「長期使用は肌に悪影響を及ぼすのでは?」といった不安の声もあります。
実際に、ヒルドイドは医薬品であり、肌トラブルを改善する効果が期待できる一方で、適切な使い方をしなければ副作用を引き起こす可能性もあります。
本記事では、ヒルドイドの効果やメリットを詳しく解説するとともに、副作用や使用時の注意点についても解説します。ヒルドイドに不安がある方は、ぜひご覧ください。
ヒルドイドとは

ヒルドイドは、豚軟骨由来のヘパリン類似物質を0.3%含有した外用薬です。肌の保湿や血行促進作用があり、さまざまな皮膚トラブルの治療に用いられます。乾燥肌やアトピー性皮膚炎の保湿ケア、しもやけによる炎症の緩和、ケロイドや手術後の瘢痕治療など、幅広い用途で使用されます。
ヒルドイドの有効成分であるヘパリン類似物質は、肌の水分保持をサポートしながら、血行を促進する作用があります。このため、血流が滞りやすい部位のうっ血改善や打撲の治療にも利用されます。ただし、血液の流れをよくする作用があるため、出血しやすい人や血友病の患者は慎重に使用することが必要です。
ヒルドイドの剤形には、クリーム、軟膏、ローション、フォームなどがあり、それぞれの形状によって使用感や適した症状が異なります。クリームや軟膏はしっとりとした保湿力が高く、ローションやフォームはさっぱりとした使用感が特徴的です。
ヒルドイドはやめた方がいい?
「ヒルドイドはやめた方がいい」と言われることがありますが、正しく使用すれば比較的副作用が少ない薬です。ヒルドイドは本来、乾燥肌や血行不良による肌トラブルを改善するために処方される医薬品であり、適切に使用すれば効果的なスキンケアの一環として役立ちます。しかし、誤った使い方や体質に合わない場合、副作用が生じる可能性もあるため注意が必要です。
ヒルドイドの副作用
ヒルドイドには皮膚炎、かゆみ、発赤、発疹などの副作用があります。一般的に副作用が出現する可能性は低いですが、血友病、血小板減少症、紫斑病を抱える方は注意が必要です。これらの疾患がある場合、出血が止まらなくなる重大な副作用が起こる可能性があるため、使用を控えるのが望ましいです。
使用後に皮膚の異常を感じた場合や、かゆみや赤みが強くなる場合は自己判断で使用を続けず、医師や薬剤師に相談することが重要です。症状が軽度であっても、継続使用によって悪化する可能性があるため、適切な対処を行うことが求められます。
ヒルドイドの注意点
ヒルドイドは血行促進や保湿効果がある医薬品ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。
- 血小板減少症、血友病、紫斑病、出血性血液疾患のある方は、出血のリスクが高まるため使用が禁止されています。これらの疾患をお持ちの方は、医師の指示に従うことが必須です。
- 妊婦や産婦の方についても、ヒルドイドの使用には注意が必要です。場合によっては、胎児や母体への影響を考慮し、使用が制限されることがあります。妊娠中や出産後に使用を検討している場合は、必ず医師に相談しましょう。
ヒルドイドは処方箋が必要な薬であり、安全に使用するためには、医師や薬剤師の指示を守り、適切な方法で使用することが大切です。
ヒルドイドの効果
ヒルドイドの効果は大きく分けると3つあります。
- 保湿作用
- 血流増加作用
- 抗炎症作用
それぞれ解説します。
保湿作用
ヒルドイドは、皮膚の水分を保持し、乾燥を改善する効果があります。この保湿作用には、ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質が関与しています。ヘパリン類似物質は、水分を引き寄せて皮膚にとどめる働きがあり、肌の潤いを保つのに効果的な成分です。
そのため、乾燥肌で悩んでいる方におすすめです。特に、冬場の乾燥やアトピー性皮膚炎による肌荒れが気になる方にとって、ヒルドイドは効果的な保湿ケアの一つとなります。使用する際は、適量を塗布し、肌にやさしくなじませることが大切です。過剰に塗りすぎるとベタつきを感じたり、まれに赤みやかゆみが生じることもあるため、適量を守りましょう。
血流増加作用
ヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質は、血液をサラサラにする作用を持つヘパリンと似た構造をしています。そのため、血管を拡張し、血流を促進する効果が期待できます。特に、しもやけや打撲、血腫といった血流の滞りが関係する症状の改善に役立ちます。
血流が滞ると、患部に十分な酸素や栄養が届かず、回復が遅れることがあります。ヒルドイドを塗布することで血行が促進され、腫れや痛みが軽減し、回復が早まると考えられています。ただし、過剰な使用は副作用を引き起こす可能性があるため、医師や薬剤師の指示に従い、適量を守ることが大切です。
抗炎症作用
ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質には、血行を促進するだけでなく、炎症を抑える作用もあります。炎症が起こると、患部の血管が拡張し、腫れや赤み、痛みが生じます。これに対してヘパリン類似物質は、症状を和らげる効果が期待できます。
特に、軽度の炎症性皮膚疾患や湿疹、かゆみの軽減に効果的です。また、打撲や捻挫などで生じる炎症反応を抑えることで、腫れや痛みを和らげ、回復を早める効果もあります。ただし、ステロイドのような強い抗炎症作用はないため、重度の炎症には向いていません。
ヒルドイドの使用方法
ヒルドイドは、1日1回〜数回程度の頻度で使用することが推奨されています。症状や医師の指示に応じて適切な回数を守りましょう。
塗布量の目安
- クリームや軟膏:第一関節までの長さ(約0.5g)を取り、患部にやさしくなじませます。
- ローションタイプ:1円玉サイズ(約0.5mL)を手に取り、広げるように塗布するのが適量です。
必要以上に多く塗ると、ベタつきが気になることもあるため、適量を守ることが大切です。
また、効果を最大限に活かすためには、清潔な肌に使用することが重要です。特に、お風呂上がりなどの保湿が必要なタイミングで塗布すると、より高い効果が期待できます。
よくある質問
ヒルドイドに関して疑問を持たれやすい質問について、詳しく解説します。
- ヒルドイドを塗ってはいけない場所は?
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ヒルドイドは血行促進や保湿効果がある薬ですが、使用する際には塗ってはいけない場所があるので注意が必要です。
- 傷口やただれた部分には塗布しないようにしましょう。ヒルドイドは血流を促進するため、傷の治癒を妨げたり、出血が長引く可能性があります。
- 炎症が強く赤みや腫れがひどい部分も避けるべきです。炎症を悪化させる恐れがあるため、症状が落ち着くまでは使用を控えましょう。
- 眼の周囲にも使用しないように注意が必要です。ヒルドイドの成分が目に入ると刺激を感じる可能性があるため、誤って塗布しないよう気をつけましょう。
- ヒルドイドは赤ちゃんに塗ってもいい?
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ヒルドイドは、赤ちゃんの肌にも使用できる医薬品です。主成分であるヘパリン類似物質は、高い保湿効果を持ち、肌の水分を保持する働きがあります。そのため、乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで肌のカサつきが気になる赤ちゃんにも効果が期待できます。
ただし、赤ちゃんの肌は非常にデリケートなため、使用する際には必ず医師の指示に従うことが大切です。自己判断で使用すると、思わぬ肌トラブルを引き起こす可能性があるため、適切な使用方法や塗布量について医師に確認しましょう。
また、傷口や炎症が強い部分への使用は避け、赤ちゃんの肌の様子をよく観察しながら塗布することが重要です。安全に使用するためにも、適量を守りながら丁寧に塗るようにしましょう。
- ヘパリンとヒルドイドはどっちがよい?
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ヘパリンとヒルドイドは、成分や効果に大きな違いはありません。どちらも保湿作用や血流促進効果が期待できるため、基本的にはどちらを選んでも同じような効果が得られます。
そのため、使いやすい剤形を選ぶことがポイントです。例えば、クリームや軟膏は保湿力が高く、乾燥が気になる部分に適しています。一方、ローションは伸びがよく広範囲に塗りやすいため、身体全体の乾燥対策に向いています。
使用する際は、肌の状態や塗布する部位に合わせて剤形を選び、適量を守るのが大切です。また、医師や薬剤師に相談しながら、自分に合ったタイプを選ぶとよいでしょう。
ヒルドイドを上手に活用してスキンケアをしましょう
ヒルドイドは、ヘパリン類似物質を含む外用薬で、保湿・血行促進・抗炎症作用があります。乾燥肌やアトピー、しもやけ、打撲、瘢痕治療などに使用され、クリーム・軟膏・ローション・フォームといった剤形が存在します。
「ヒルドイドはやめた方がいい?」との疑問がありますが、ヒルドイドは適切に使用すれば安全です。ただし、かゆみ・皮膚炎・発赤などの副作用があり、血液疾患(血友病・紫斑病)を持つ人は出血リスクがあるため注意が必要です。
使用時の注意点として、傷口・強い炎症部位・目の周囲には塗布せず、過剰使用を避けることが推奨されます。ヒルドイドを安全に使用するためには、医師や薬剤師の指示に従い、適量を守りましょう。